時間価値を高めるカギは、「ワークとライフの融合」にあり。その背景と注意点とは?

公開:

2022年07月18日

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2024年04月16日 

「業務時間中に仕事のチャットを返した数秒後に、プライベートのメッセージに返信する」

「休日に仕事のトラブルが発生し、出先からスマホで対応する」

「日常を離れ、ワーケーションをしに自然豊かなところに行く」

あなたには上記のような経験、ありませんか?

デジタル化とクラウドツールが普及し、人々は大量のタスクを短時間でこなせるようになりました。スマホで仕事をすることができるようになり、休日にも仕事が入ってくるようになった一方で、仕事中にプライベートのメッセージのやりとりをすることも容易になっています。

このような時代背景にあるのは、「遊びを仕事にする」「遊ぶように働く」という価値観の広がりです。旅先で仕事を行うワーケーションスタイルも登場していますね。

「遊びを仕事にする」「遊ぶように働く」というのは、公私の境目が今まで以上に曖昧になるということです。「公私が互いに溶け出して融合すること」を「ワークライフインテグレーション」と言いますが、これこそ人の時間を豊かにするもの、つまり、時間価値を高めるものとなるのではないでしょうか。

この記事では、「時間価値を高めるワークライフインテグレーション」をテーマに、その利点や注意点を解説します。

いま求められるのは「ワークライフバランス」ではない?

「ワークライフバランス」は、1980年代にアメリカで生まれた考え方で、日本では1990年代から2000年代にかけて浸透。いまやこの言葉を聞いたことのない人はいないくらい、広まっているのではないでしょうか。

ですが、ここ数年の間に、働き方改革やコロナ禍の影響もあり、「仕事」と「プライベート」に関する考え方はさらに進化。「ワークライフバランス」という言葉自体に違和感を覚える人が増えてきたように感じます。

現代人がワークライフバランスという考え方に違和感を覚える理由は、主に2つ考えられます。

①仕事もプライベートもデジタル化して完全に切り分けることが困難になったから

スマホはいまや「小型PC」。たくさんのアプリやツールが入っていて、その多くがクラウド化されています。自分のIDやパスワードさえわかっていれば、いつでもどこでも操作でき、さらには端末の種類も問われない。現代人はこれをすでに当たり前のように享受していますが、一昔前には考えられなかったものすごい変革です。

スマホを開くと、仕事のチャット、家族からのメッセージ、ECサイトからのメルマガなどが同列のものとして通知される。そのおかげで、ワークとライフの距離が一気に縮まり、もはや両者をパキッと切り分けることの方が難しくなっているのではないでしょうか。

仕事用のスマホを会社から貸与されている人もいますが、そうはいっても仕事のつながりがプライベートスマホに侵食してくることを完全に避けるのは難しいですよね。

 

②「仕事は嫌なもの」という価値観が変化しているから

「仕事は嫌なもの」と捉える価値観が変わりつつあることも、理由の1つです。これまでは「会社の給料=我慢料、嫌なことや痛みへの対価」と考える節が強くありました。

それに対して成功している経営者や起業家、インフルエンサーは昔から「やりたいことをして稼いでいる」という感覚を持ち、書籍や講演会を通して発信していました。ただし、まだまだごくわずかな人の間でしか共感されない、マイナーな考え方だったはずです。

しかし数年前、YouTubeで行われた「好きなことで、生きていく」というキャンペーンと、長時間労働を是としない時代の変化があり、潮目が変わってきています。一般の人にとっても「好きなことで、生きていく」の実現が夢物語ではなくなったのです。

「好きなことで、生きていく」が示すのはまさに公私が融合した生き方。そのような生き方を目指す人にとって「ワークライフバランス」という言葉はしっくりこなくなります。

ワークライフインテグレーションの利点と注意点

「ワークライフバランス」という言葉に違和感を覚える人にとっては、「ワークライフインテグレーション」の方が概念としてフィットするのではないでしょうか。

このような生き方のメリットは、「時間価値が高まること」。人は好きなことをしているときに生産性は高まりますし、生き生きとしてきます。ワークとライフが融合することで、時間価値が高まって、豊かな過ごし方ができるようになっていくのです。

一方で、ワークライフインテグレーションには注意点もあります。

1つは、オンとオフの切り替えが難しいことです。いくら公私が融合するという価値観が広がってきたといっても、切り替えが必要な人もいます。

また、切り替えを必要としない人でも、どちらかというと仕事色の強い時間や、プライベート色の強い時間など、ある程度の濃淡はありますよね。あるいは、まったく仕事のことを考えない、完全プライベート時間もあるはずです。このオンとオフの切り替えが難しい点には注意しないといけません。

ワーケーションを実施した人の中でも、「自然豊かな土地を訪れたのに、結局はタスクが重なり一日中部屋にこもっていた」ということも珍しくなく、意外とバランスを取るのは難しいものなのです。

もう1つは、ワーカーホリックになりがちだということです。公私の境目が曖昧ということは、逆に言えば「どこまでも仕事ができてしまう」ということ。これにより、働きすぎの状態になってしまう人は少なくないでしょう。しかも、好きな仕事をしている分、本人は働きすぎであることを自覚できない。

常にオンの状態でワーカーホリックになると、リラックスできる時間やプライベートの時間が削られ続けると、体を壊してしまう可能性も高まります。

特に、副業や複業が一般化してきた今では、本業の勤務時間前後に仕事をする人も増えています。そんな意識の高い人たちこそ、バランスを欠いて体やメンタルの調子を崩してしまうリスクが高いので注意が必要です。

リスクも知った上で公私の境目を曖昧にしてみよう!

この記事では、「ワークライフインテグレーション」の背景やメリット、注意点を解説してきました。「ワークライフバランス」よりも「ワークライフインテグレーション」、そして「好きなことで、生きていく」など、生きる上での“わくわく”が広がる価値観ではありますが、そこにはリスクもあることをしっかり理解することが大切です。

オン・オフの感覚やそれぞれの時間を使いこなすことで、ワークライフインテグレーションによる時間価値の高まりを享受することができるでしょう。

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    落合真彩

    教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライター。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、テクノロジー、経営、HRなどビジネス領域を中心に執筆。フレスコボールというスポーツの日本代表としても活動。

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