人とAIが共進化する時代へ。PKSHA Technologyが語る、AIエージェントがもたらす新しい働き方とパートナーシップの本質

公開:

2026年03月31日

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2026年03月31日 

AIが社会インフラになりつつある今、その進化は“人の働き方そのもの”を変え始めています。研究開発からソリューション提供、SaaS展開までを一貫して行うPKSHA Technologyは、AIを単なる自動化ツールではなく、「人とともに働く存在」へと進化させる取り組みを推進してきました。

2025年6月、同社は主力製品である『PKSHA Chatbot』『PKSHA Voicebot』の名称をそれぞれ『PKSHA ChatAgent』『PKSHA VoiceAgent』へと変更。これは、人とAIの関係性が進化する転換点を示すものでもあります。

今回は、AI Knowledge & Communicationカンパニーのマーケティングチームに所属するマネージャーの白子様、リーダーの飯田様に、PKSHAが見据える「人とAIの共進化」の姿と、その未来を形づくるプロダクト思想について伺いました。

PKSHAがつくるAIの進化基盤と、“BotからAgentへ”の転換点

研究・ソリューション・SaaSが循環する一気通貫モデル

ーーまずは、貴社の事業の特徴について教えてください。

白子(PKSHA) 当社は「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、AI技術の研究開発から社会実装までを一貫して進めています。研究開発、ソリューション提供、SaaS展開という3層構造を持ち、これらがお互いにフィードバックループとして循環する点が大きな特徴です。自然言語処理や音声認識、画像認識、機械学習・深層学習といったアルゴリズムを開発し、企業のさまざまな課題解決に活用しています。

AI SaaS事業では、こうした技術をより多くの企業に届けるプロダクトとして提供しています。現在は2,600社以上に導入されており、社内外のコミュニケーションやナレッジマネジメントに関する課題を中心に支援しています。顧客接点領域では『PKSHA ChatAgent』『PKSHA VoiceAgent』を、社内業務領域では『PKSHA AI Helpdesk』などを展開しています。

ーー3層構造の循環が、プロダクトの進化にどうつながっているのでしょうか?

白子(PKSHA) 実際のオペレーションで得られたデータやノウハウが研究開発に戻り、そこから再び製品へ反映されていく循環が生まれています。この仕組みによってプロダクトは継続的に進化し続けますし、当社が掲げる「人とソフトウエアの共進化」というビジョンを具体的に実践することにもつながっています。

「Bot」から「Agent」へ──事業と時代の大きな転換点

ーー主力製品の名称変更は、大きな意思決定だったと思います。その背景を伺えますか。

白子(PKSHA) 私たちは、2025年6月に主力製品である『PKSHA Chatbot』『PKSHA Voicebot』の名称をそれぞれ『PKSHA ChatAgent』『PKSHA VoiceAgent』へと変更することを決断しました。『PKSHA ChatAgent』はWebサイトやアプリ上でのチャット対応を自動化し、『PKSHA VoiceAgent』は電話での音声対応を自動化するサービスです。いずれもお客様からの問い合わせに24時間365日対応することで、顧客満足度の向上とオペレーション効率化の両立を支援します。

今回の名称変更は、単なる呼び方の変更ではありません。応答中心の“bot”ではなく、より高度な判断や連携まで担う“AIエージェント”が普及しつつあることを皆様も感じていると思いますが、当社としても「エージェント」として進化を進めていくプロダクトであることを明確に示すために変更しました。

ーー名称変更を通じて、“BotからAgentへ”という大きな転換を打ち出されたわけですね。では、PKSHAが定義する「エージェント」とはどのような存在なのでしょうか。

白子(PKSHA) 「AIエージェント」という定義自体は幅広いですが、当社では「お客様の課題や状況を踏まえて適切な判断を行い、必要なサービス提供を自律的に進めていく存在」を指しています。さまざまな情報から最適なものを選び出し、自律的に判断して業務を推進できるスキルを持つ存在です。

ただし、当社のビジョンはあくまで「人とAIの共進化」です。AIが人を支える存在から、人とともに働くパートナーになることで、人とAIが互いに価値を高め合う関係を目指したいと考えています。

ーーAIが進化する中で、人にはどのような変化が求められるのでしょうか。

白子(PKSHA) 業務を行っているつもりでも、実際には「情報を探すだけで時間が過ぎてしまう」「言い回しを整えるのに思った以上に時間を取られる」といったことがあります。もちろん、その積み重ね自体は経験として意味がありますが、いつまでもそれを繰り返す必要はありません。

たとえばAIが業務の下地をつくってくれれば、30分かかっていた熟考のプロセスが5分で済むこともあります。そうなれば、人はより価値のある判断や、お客様に向き合うための思考に時間を使えるようになります。結果として、業務全体のアウトプットはより大きく、ポジティブなものになると考えています。

AIに任せられる領域は積極的に任せ、人はその先のステップへ思考を進める。こうして互いの役割が段階的にレベルアップしていく状態こそ、私たちが考える「共進化」です。

複雑な業務を“AIエージェント”で担い、人とシームレスに協働する未来 

”AIエージェントの群れ”をつくり、AI同士が連携して業務を行う

ーーPKSHAのAIエージェントは、技術面でどのように進んでいるのでしょうか。

飯田(PKSHA) 技術面では、単体のAIではなく、役割の異なる複数のAIが連携して動く、“AIエージェントの群れをつくる”というアプローチを進めています。社内業務に関する問い合わせをMicrosoft Teams上でAIが自動化する『PKSHA AI Helpdesk』は、その方向性を先行して形にしている事例です。

人の業務は、さまざまなレイヤーで「判断」と「受け渡し」が行われています。例えば実際の業務の前段階として、上司が「この業務を誰に任せるのが適切か?」を判断する、といったプロセスもその一部ですよね。しかも状況や情報によって判断基準が変わるため、非常に複雑性の高い仕事です。

こうした複雑な領域をAIで対応するため、PKSHA AI Helpdeskでは、コミュニケーションの意図を把握し、適切なAIエージェントに業務を受け渡すAIと特定業務に特化したAIが、人との対話・フィードバックを通して進化していく仕組みを開発しています。 統括性と専門性を組み合わせることで、より複雑な業務にも対応できる未来を目指しています。

ーーAIが高度な判断まで担うようになる一方で、人に求められる価値はどのように変わっていくのでしょう。

白子(PKSHA) コンタクトセンターや社内問い合わせ対応の現場では、感情の機微を踏まえたやり取り、いわゆる「人間力」が組織を円滑に回すために不可欠です。これは人だからこそ担える領域であり、AIには難しい部分です。

一方、必要な情報をもとに適切な判断を行うといったプロセスは、AIがある程度複雑なレベルまで担えるようになれば、人の業務負担は大幅に軽減され、生産性も向上します。この「どこまでをAIに任せ、どこからを人が担うか」という最適化を追求し続けることが、当社の使命だと考えています。

人とAIの役割が一本化された業務プロセス

ーー実際の現場では、人とAIはどのように協働しているのでしょうか。

飯田(PKSHA) 普段、私たちが扱っている情報には、既に構造化されている情報(形式知)、構造化できるがまだできていない情報(暗黙知)、構造化ができない情報(暗黙知)などがあります。

既に公式に社内に存在する書類やFAQ情報などはAIが扱うことに長けている一方で、まだ形式知化できていない情報は人が扱うことに長けています。また、状況によって判断が変わるような形式知化が難しい情報については、AIが過去の膨大な情報から状況に合わせて回答素案を生成し、それを人が判断し、活用します。

AIの得意な部分はAIに任せ、人の得意な部分は人がしっかりと対応する。この切り分けが“業務プロセスとして一本化” されているといった、「AIだけでなく、人とAIがともに働くことを前提にサービスの利用体験をデザインしていること」が当社の特徴です。まずAIが問い合わせに対応し、判断できない内容はシームレスに人につながる。この流れによって、お客様の現場では「人とAIの共進化」や「共創」が自然に実現されています。

ーー人とAIが連携するうえで、情報の蓄積や更新はどのように行われているのでしょうか。

飯田(PKSHA) 例えば当社では、生成AIを活用し、既存ナレッジの活用による問合せへの自動応答や、有人での対応ログを活用した回答の提案、新たなナレッジの生成など、AIによる自律的な情報の蓄積や更新が可能な『PKSHA AI Helpdesk』を提供しています。

単体のAIでは、新しい情報ニーズが生まれた際に、従業員がどんな情報を求めているのかを継続的に把握することが難しく、更新やメンテナンスにも多くの工数がかかってしまいます。

その点、当社の仕組みでは、AIが作成すべきナレッジを自ら提案し、日々モニタリングを行いながら、作成・更新・メンテナンスまで自動で実行します。こうした仕組みによってナレッジが循環し続け、従業員が必要とする情報が常に最新へアップデートされる点が大きな強みです。

AIが社会を支え、“人らしさ”がより際立つ時代へ

今後、AIエージェントが企業や社会の中で果たしていく役割

ーーAIエージェントは、今後企業や社会の中でどのような役割を果たしていくのでしょうか。

白子(PKSHA) 現在、さまざまな領域で人手不足が深刻化しています。人が担わなくても良い業務については、AIが代替しなければ社会が回らなくなる状況が生まれるのでは、と感じています。AIが進化するほど、AIで代替できる領域は広がり、人が人らしく振る舞うことができる領域がより明確になると考えています。

例えばマーケティングのように、戦略立案やお客様との関係構築はますます人の役割として重要性が高まります。一方で、データ集計や分析、レポート作成といった作業的な領域はAIがサポートすることで、人はより本質的な思考やコミュニケーションに時間を使えるようになります。

ーー最後に、PKSHA Technologyが見据える「これからの人とAIの関係性」について教えてください。

白子(PKSHA) AI業界は、毎週のように新しい技術が登場する非常に変化の激しい世界です。その中で当社は、常に最先端の技術を追求しながらも、「本当にお客様の課題を解決できるプロダクトを提供し続けること」を大切にしています。技術のための技術ではなく、人と社会のためのAIであることを重視しています。

研究開発からSaaS展開までを一貫して行う当社の強みを活かし、今後も進化を続けていきます。人とAIが対立するのではなく、お互いを高め合う関係性を築くこと。AIが人を支え、人が価値の高い業務に集中できるようになる。そして人がレベルアップすれば、AIにも次の進化が求められる。このような「共進化」の世界を実現していきたいと考えています。

PKSHA AI SaaS サービスイメージ

PKSHA AI SaaS | 企業の課題を未来の技術で解決するAI SaaS

PKSHA AI SaaSは、2,600社以上が導入するAI搭載型SaaSです。 社内外のコミュニケーションやナレッジマネジメントに関する問題を、 AI SaaSを窓口として解決します。

aisaas.pkshatech.com

    WRITER

    落合真彩

    教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライター。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、テクノロジー、経営、HRなどビジネス領域を中心に執筆。フレスコボールというスポーツの日本代表としても活動。

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