チーム力の最大化を軸に、人的資本の生産性向上を実現する統合型クラウド「Team Success Platform」を提供する、株式会社チームスピリット。スタートアップからエンタープライズまで、幅広い企業の内部統制の強化を支えています。勤怠管理・工数管理・経費精算など、市場ニーズに合わせて製品ラインナップを広げるなか、同社は各プロダクトの訴求力向上と、自社で更新・運用できる体制の構築を目的に、サービスサイトのリニューアルに着手。
カロアはプロジェクト途中から参画し、約9か月の制作を経て、2026年3月に新たなサービスサイトを全面公開しました。今回は、リニューアルに込めた想いや、長期プロジェクトならではの苦労、そして協業を通じて得られた気づきについて、チームスピリットとカロア両社のプロジェクトメンバーが語り合いました。

「会社の顔」をつくりたい。サイトリニューアルの背景
多様なプロダクトの価値を、よりタイムリーにお客様へ届けたい
内田(チームスピリット/以下、TS)当社は、クラウド勤怠管理システムをはじめ、バックオフィス業務を支える、さまざまなソリューションを提供しています。私たちマーケティング部では製品サイトの運用を担当していますが、既存のCMSではちょっとした修正にも外部の運用会社への依頼が必要で、最新情報をタイムリーに反映できないという課題がありました。
そこで、まずはトップページを刷新し、各プロダクトの最新情報や機能的な価値をしっかり伝えられるようにしたいと考えました。同時に、今後の運用も見据え、柔軟にサイトを更新・運用できる仕組みを整えたいという狙いもありました。

参考リンク:https://www.teamspirit.com/
制作会社交代後、初のキックオフで生まれた「カロアでよかった」という安心感
内田(TS)実は当初、別の制作会社とサイトリニューアルを進めていました。PowerCMSからStudioへの移行を見据えたサイトマップを作成し、これから本格的に制作に入るタイミングで、先方の体制変更により継続が難しくなったんです。そこで、ご紹介いただいたのがカロアさんでした。
鈴木(カロア)前の制作会社さんからは、Figmaのデータやビジュアルアイデンティティなど、基礎設計に関する資料は引き継ぎ、社内の制作メンバー間でもしっかり落とし込んでいました。ただ、チームスピリットさんとしては、制作会社が途中で変わることに不安を抱かれる部分も少なからずあったのではないかと思います。
内田(TS)正直初めは、「うまく引き継いでもらえるのか」と懸念していました。けれど、鈴木さんと当時デザインを担当していた永利さんが具体的なキービジュアルを複数パターン用意し、細かなニュアンスの違いや判断軸まで示してくださったので、「この方向性なら大丈夫だ」と安心しました。
鈴木(カロア)前制作会社さんとの打ち合わせで決まった「高機能・カスタマイズ・フレキシブル」といったキーワードを、具体的にどのデザインで表現していくのかを一つひとつ言語化し、一緒に確認していきましたよね。途中から参画したからこそ生まれやすい認識のズレも、丁寧に解消しながら進めたことで、スムーズに移行できたのだと感じます。
内田(TS)タスクやスケジュール管理についても、初回からオーナーシップを持ってくださっていて、「ここまで伴走してくれるんだ」と驚きました。キックオフの段階で、「カロアさんにお願いして本当によかった」と思っていましたね。

プロダクト機能と会社の想い。両方が伝わるデザインを求めて
「数ある勤怠システムの1つ」で終わらせない、チームスピリットらしさを追求
内田(TS)サイトづくりで特に悩んだのは、複数あるプロダクトを、どんな言葉やビジュアル、配置で見せれば、お客様に価値が伝わるのかという点でした。私たちが本当に届けたいのは、単なる勤怠管理システムの切り売りではなく、お客様の持続可能な事業成長の実現を支援する「TeamSpirit」というプラットフォームの価値。
一方で、サイトを訪れた方に「勤怠管理サービスを提供するSaaS企業」だと直感的に理解していただけることも欠かせません。会社として伝えたいブランドの価値と、各プロダクトの具体的な機能や情報。その二つをどう両立させるかについては、鈴木さんとも何度も議論を重ねました。

内田(TS)言葉を選ばずに言えば、世の中には勤怠管理システムを提供している会社は多数あり、ユーザーにはどれも大差がないように映ってしまいます。だからこそ、私たちは「チームスピリットの色」を表現したくて。その「色」は、開発者の想いや経営判断が、具体的な機能やベネフィットとして製品に表れているところに宿ると思うんです。それを言葉やビジュアルで伝えることで、数あるサービスの1つではなく、「この会社は、こんな想いでこのプロダクトをつくっているんだ」と感じてもらえるサイトにしたかったんです。
鈴木(カロア)「お客様にどんな価値を提供できるか」というところに、チームスピリットさんは本当に深く対峙されていて。その想いを打ち合わせでじっくり伺いながら、どう表現していくか、テキストもビジュアルも納得がいくまでブラッシュアップしながら、形にしていきました。
内田(TS)そういった点が、まさに表れているのがトップページですよね。一目で勤怠管理システムと分かりつつ、一方で、複数のプロダクトを組み合わせられるからこそ生まれる価値も表現できている。
特に思い入れがあるのは、イラストが切り替わるアニメーションです。何度も打ち合わせを重ねるなかで、「これなら、複数のプロダクトが連携して、さまざまなオフィス業務を支援できる私たちのサービスを直感的に伝えられるのでは」という話になって。カロアさんとの何気ない会話から生まれたアイデアだったので、とても印象に残っています。

公開後も"自分たちで"動かせるように。複雑なCMS設計にも対応
野尻(カロア)情報設計やデザインだけでなく、公開後もチームスピリットさんご自身で更新しやすい形に実装することも、本プロジェクトの重要なテーマでした。特に今回は、CMSで管理するコンテンツが多く、複数のコンテンツ同士が連携する構成にする必要があったため、CMS全体を見据えた設計が欠かせませんでした。
そのため、Studioのテキスト、カラースタイル、コンポーネントを活用し、見出しや本文のスタイルをあらかじめ定義。ページ数が多いサイトでも、新しいページを追加するたびにデザインがばらつかないようルール化しました。CMSの階層構造はテキストだけでは伝わりにくいので、毎回のミーティングで画面共有をしながらチームスピリットさんと確認し、運用イメージをすり合わせるようにしていましたね。
内田(TS)目の前のページを整えるだけにとどまらず、サイト全体や今後の運用まで見据えた提案を多くいただけたことは、とてもありがたかったです。「今後プロダクトが増えた際は、この設計のほうが運用しやすいですよ」などと、自分たちでは見落としていた視点も、先回りしてアドバイスしていただきました。

移行プロセスで生じた技術的な課題にも、柔軟な判断と連携で対応
お客様にとっての最適解を、ツールに縛られず考える
内田(TS)今回のサイトリニューアルは、ページ数が膨大だったため、5段階に分けて進めていました。第一段階として、それまで別のCMSで公開していたコラム記事をStudioへ移行し、8月に一部を公開しました。
既存コンテンツの移行や新しい環境への対応を進めるなかで、当初の想定だけでは判断できない技術的な課題もいくつか出てきましたよね。
葉栗(カロア)そうですね。大規模なサイトを新しい環境へ移行するプロジェクトだからこそ、実際に進めてみて初めて見えてくることもありました。
その際に私たちが大切にしていたのは、当初決めた方法に固執するのではなく、その時点でチームスピリットさんにとって何が最適なのかを改めて考えることです。Studioを使い続けることだけを前提とせず、必要に応じて他の構築方法も含めて選択肢を整理しながら、チームスピリットさんと密にコミュニケーションを取り、一つひとつ検証を重ねていきました。
結果として、Studioの新しい基盤も含めて検証を行いながら、今後の運用まで見据えたかたちで移行を進めることができました。
内田(TS)プロジェクトの途中で状況が変化するなかでも、すぐに選択肢を整理して、一緒に解決策を考えていただけたのは心強かったです。
単に「Studioでサイトをつくる」ということではなく、私たちがサイトをどのように運用していきたいのかまで踏まえて柔軟に対応していただきました。両社で密に連携しながら課題を一つずつ解消できたことで、最終的には安心して全ページを公開することができました。

節目ごとの「振り返り会」で信頼を積み重ねた
内田(TS)こうした局面も含めて乗り越えてこられたのは、節目ごとに振り返りの場をつくってもらったことが大きかったと思っています。
鈴木(カロア)今回は、半年以上にわたる長期プロジェクトだったため、KPT(Keep:継続すること、Problem:課題、Try:次に取り組むこと)を用いて、2回の「振り返り会」を実施しました。1回目は、Studio移管完了のタイミングでタスク管理の課題を洗い出し、2回目はプロジェクト完了後、今後の運用に活かせる改善策や学びを整理させていただきました。

実際に使用した振り返り資料
「サイトをつくって終わり」ではなく、チームスピリットのみなさんが今後の運用にも活かせる学びとして持ち帰っていただくことを大切にしていました。
葉栗(カロア)私たちは、制作だけに価値を置くのではなく、一緒にプロジェクトをやることで積み上げられる「資産づくり」を大切にしています。今後カロアがご一緒するときの進めやすさはもちろん、他制作会社とプロジェクトを進める際にも、チームスピリットさんのナレッジとして蓄積されていけば、成功するプロジェクトは増えるはずです。そうした「会社」「事業」「人」の資産をつくるために、私たちはできるだけ関係者全員で振り返りの場をお願いしています。
内田(TS)定期的に振り返る機会があったので、フラットに意見を出し合いながら、その都度軌道修正することができたのだと思います。プロジェクト終了後にはオフラインの懇親会も企画していただきましたが、初めて対面したという感覚もなく、ざっくばらんにお話できて、とても良い時間になりました。
鈴木(カロア)普段はオンラインで効率よく進めながらも、節目では実際にお会いする時間も大切にしています。懇親会では仕事の話だけでなく、お互いの趣味や家族の話でも盛り上がり、冗談を言い合えるくらい自然に打ち解けることができましたね(笑)。
実際に顔を合わせることで、お互いの人柄をより知ることができ、その後のコミュニケーションにも良い影響があったと感じています。
サイト制作の過程が、ブランドらしさを再確認する時間に
個別プロダクトの紹介を超えて、会社の想いが伝わるデザインへ
内田(TS)完成したサイトを見てまず感じたのは、個別の製品を並べるだけでなく、会社として大切にする「お客様の組織変化や成長を支える」という考え方やメッセージまで、説得力を持って伝わるデザインにまとめていただけたということです。

参考リンク:https://www.teamspirit.com/
また、課題として挙げていた運用面でも、社内の誰が見ても「どこを触ればいいか」が分かるCMSやコンポーネント設計に取り組めました。Web担当者だけでなく、他施策領域の担当メンバーも更新できるようになったことで、特定の担当者に依存せず製品サイトの運用ができるようになっています。
そして、サイトリニューアルの副産物として得られたのが、カロアさんが掲げる「事業成長のための資産をデザインする」という考え方でした。「TeamSpirit」はどのようなお客様に選ばれ、どのような課題を解決し、どんな価値を提供するのか。プロジェクトを進めるなかで、会社の「コア」を自分たちなりに棚卸し、構造化することができました。単なるサイトリニューアルではなく、企業としての指針をつくれたと感じています。

PM、デザイナー、エンジニア。それぞれのアイデアが交わり、足し算が“掛け算”になった
鈴木(カロア)あらためて伺いたいのですが、今回のプロジェクトを通じて、良いパートナーシップとはどんなものだと感じられましたか?
内田(TS)良いパートナーシップとは、リスペクトの気持ちを伝えたうえで、他人事にならずにやりきることなのかなと。たとえば、制作会社との定例ミーティングも、形骸化してしまうと「とりあえず参加するだけ」みたいなケースもあると思うんです。けれどカロアさんの場合は、PM、デザイナー、エンジニア、それぞれの立場で、"自分ごと化"して意見をくださっていた。
だからこそ、各々が持つアイデアや熱量が足し算ではなく、“掛け算”になっていくような感覚を、プロジェクトを通じて感じました。
鈴木(カロア)全員が、同じゴールに向かって進んでいく感覚がありましたよね。チームスピリットさんは最初から最後まで本当に高い熱量を持たれていて。ものづくりのプロとして「妥協したくない」という想いは大前提としてありましたが、それ以上に、「その期待に応えたい」という気持ちが、私たちカロア側の熱量もさらに高めてくれたというか。
お互いに妥協せず、心の通ったコミュニケーションを取り続けたことが、最後まで走り切れた一番の理由だったのだと思います。
内田(TS)発注者と制作会社というビジネスライクな関係性ではなく、“良いものを一緒につくる相棒”のようでしたね。もしカロアさんがパートナーでなければ、今回のような長期のプロジェクトを乗り切ることはできなかったと思います。
より多くの人が参画しやすい「攻めのPR」を
内田(TS)これまでは、広報チームがステークホルダー向けの発信を行っても、サイトの更新が追いつかず、情報拡散の効果が最大化できないケースもありました。けれど、今回のサイトリニューアルを通じて、新プロダクトや新機能といった最新情報を、より深くタイムリーにお客様へ届けていくための基盤が整ってきたと感じています。
今後もサイトを継続的に改善しながら、お客様により多くの価値を届けられる情報発信を目指していきたいと考えています。
「TeamSpirit」は複数のプロダクトを組み合わせることで、お客様ごとに最適な価値を提供できることが強み。クラウド勤怠管理の領域で長年培ってきた知見も含め、コンテンツを通じて、その価値をもっと分かりやすく伝えていけたらと考えています。

[執筆]稲葉 めぐみ [撮影]田島 雄一






