2024年4月にタクシーメディア「TOKYO PRIME」をリブランディングしたことを機に、運営会社である株式会社IRISは新たなデザインパートナーを探していました。目的は、「TOKYO PRIME」のブランドサイトのリニューアル。より質の高い制作プロセスを模索していた中でカロアと出会い、約3ヶ月間のプロジェクトでサイトリニューアルを遂行しました。プロジェクトの進め方を振り返り、印象に残った部分、お互いがうまくかみ合った部分などについて語り合いました。決め手は「粘り強く伴走してくれそう」だったことリブランディングに伴うサイトリニューアルに向けプロジェクトがスタート明石(IRIS):2024年4月に「TOKYO PRIME」というサービスのリブランディングを実施しました。本来はそこに向けてサイトリニューアルをしたかったのですが、元々の制作会社を含め2、3社に提案をいただいても、なかなか決めきれない状況があったんです。弊社の希望として、デザイン提案を受けるというよりは、こちらの意思をしっかりと反映して、丁寧に伴走してくれるパートナーを探したいという思いがありました。そこでStudioからご紹介いただき、3社ほどにお声がけする中の1社がカロアさんでした。体制面や実績をそれぞれお聞きし、営業担当の人柄なども含めて総合的に判断させていただきました。「粘り強く伴走してくれそう」が決め手に明石(IRIS):金額的にはより安価なご提案をいただいた会社もありましたが、カロアさんとお話ししていると「一緒に粘り強く作ってくれるだろう」という期待感が持てたんです。特に印象的だったのは、提案後のコミュニケーションですね。カロアさんは提案後も「足りない部分はありますか」「他にも課題はありませんか」と、積極的にフィードバックを求め、必要に応じて微修正してくださいました。そもそも、最初からこちらが求めるドンピシャなデザインができることは、どの会社に依頼したとしてもほぼありません。だからこそ、打ち合わせを重ねながらすり合わせていけそうな姿勢を示してくださったカロアさんにお願いしようと決めました。葉栗(カロア):私たちとして、これまでの経緯をしっかりとお伺いすることは大事にしています。これまでのデザイン制作の背景なども聞きながら、IRISさんはアウトプットだけでなく、プロセスを通して仕上げていくことを重視されていると感じたので、「この場合は例えばどのようなプロセスで進めるといいのか」といったことをお伝えさせていただきました。1~2か月じっくり擦り合わせたからこそ、イメージがより鮮明になったカロアがこまめなタスク整理をし、プロジェクトをリード葉栗(カロア):このプロジェクトの特徴的な点として、最初のフェーズで非常に細かく、実現したいことや、使う言葉の定義、サイトのイメージ合わせを行いました。この部分に1ヶ月半から2ヶ月ほど、通常より長めに費やしたことで、後工程がスムーズだったと思います。明石(IRIS):そうですね。最初の擦り合わせがとても丁寧で印象的でした。私はサイト制作に携わるのは初めてだったのですが、最初にプロセスの全体像を明確に示していただけたので安心しました。加えて、毎週こちらがすべきタスクを整理して指示していただいたことで、スムーズに進められました。久保(カロア):私はIRISさん含めたプロジェクトメンバーの役割分担や成果物のクオリティ管理に注力してディレクションをさせていただきました。IRISさんとしては、カロアのほうでこまめにタスク整理をさせていただいたことはやりやすかったですか?明石(IRIS):はい。別業務とも並行してプロジェクトに取り組んでおり、自分たちの仕切りで全体をコントロールするだけの時間が取れない状況にあったので、受注側であるカロアさんが引っ張っていってくれたことはありがたかったです。私たちは毎週月曜日に共有いただくタスクをしっかりと進めるところに集中していたら、いつの間にかゴールにたどり着いていた感覚でした。コミュニケーションのポイントは初期段階でサービス理解を深めること森山(IRIS):特に印象的だったのは、「TOKYO PRIME」への理解度を高めていただいた部分ですね。例えば、「TOKYO PRIMEを○○に例えると何か」というようなヒアリングシートをご提示いただきましたよね。私たちだけでは言語化できない部分も、そういった工夫を通してイメージを明確にすることができ、良い擦り合わせができました。葉栗(カロア):いろいろな企業様のデザイン制作をする中では、サイトやサービスを「人に例える」ケースが多いのですが、「TOKYO PRIME」の場合は空間に例えていただきましたね。「リニューアル前は帝国ホテルやNHKなど伝統的なイメージ、それをリニューアルを通してモダンミュージアムやカフェのような立ち寄りやすいイメージに変えていきたい」と表現していただきました。これでかなりイメージがしやすくなったなと感じます。Webサイト制作というと、アウトプットそのものやその後のアクセス数、CV数などを気にされるのは当然ですが、制作プロセスの中で「イメージが明確になった」「言語化できた」といった副次的な効果を感じていただけるケースも多くあります。今回もまさにそのようなプロジェクトだったと思います。プロジェクトがもたらした「世界観に合致した」サイトリニューアルしたサイト:https://www.tokyo-prime.jp/明石(IRIS):リニューアル前のサイトは、媒体資料への導線がわかりづらいことや、サービス内容について理解を深めるのが難しい構成になっていることなどが原因で、私たちの狙いとは異なる問い合わせがよく寄せられている状況でした。しかし、広告という形でクライアントの商材をお預かりする会社として、自社サイトにおいてもしっかりと世界観が伝わるものをつくることは、各所から信頼を得るためにも欠かせない部分だと考えていました。そのような意図を持って制作したリニューアル後のサイトは、社内外の関係者たちから「リブランディング後の世界観に合ったものになった」「親しみやすいイメージになったね」という形で変化を感じ取ってもらえているコメントをもらっています。求めていたコンセプトはしっかり反映できているので、費用対効果はしっかりとペイできていると思っています。森山(IRIS):特に検索メニューや事例ページが見やすくなったという声ももらえていますね。カロアは、「クリエイティビティとビジネスのバランス」が取れるパートナーお互いに率直な意見を交わしたからこそかみ合った明石(IRIS):カロアさんは明るく誠実な方々で、非常にやりやすかったですね。無理なことは無理とはっきり言ってくれる一方で、気軽に相談もしやすい。特に印象的だったのは、こちらが率直な意見を言っても、しっかりと受け止めてくれる点です。私は比較的はっきりものを言うタイプなので、それが苦手な人もいると思うのですが、カロアの皆さんは感情的にならずに進めてくださった。そこは非常にかみ合った部分かなと思っています。議論で使用したファーストビューの提案資料の一部葉栗(カロア):IRISさんは会社として判断の軸やロジックを明確に持っていらっしゃいます。それに則って、良いものは「良い」、微妙なものは「微妙」と率直に言っていただけるので、調整しやすいなと感じました。普段はカロア側からクライアントに対し「なぜ良い/良くないと思ったか?」を深掘りしてお聞きするのですが、IRISさんにはそれが必要ないくらい的確に指摘をいただけたので、カロアのメンバーみんながやりやすいと感じていたと思います。久保(カロア):そうですね、すごく親しみやすい雰囲気でコミュニケーションを取ってくださったので進めやすかったです。私自身は、ヒアリングをもとに解釈したイメージをご提案した際に、IRISさんのお2人の反応を見逃さないように気をつけていました。完璧なご提案ができたらいいなという気持ちはもちろんありますが、ちょっとした違和感があれば見逃したくないと思っていたんです。このプロジェクトでは全員が「100点を一緒に目指すメンバー」として参加してくださっていたのも大きかったかなと思います。そんな関係性が実現できたのは、早い段階で対面のミーティングを設定させていただいたことや、その後も何度か会社に足を運ばせていただいたことが背景にありますね。オフラインの場で担当者の雰囲気をお互いに知ることができたからこそ、円滑な進行ができたのではないかと思います。デザインパートナーに求めるのはビジネスとクリエイティブのバランス感覚明石(IRIS):デザイナーには自分の作りたいものがあるのだと思いますが、一方でサイト制作のようなプロジェクトはビジネスに活用することが前提にあります。デザインパートナーとして取り組んでいく上では、ビジネスを理解した上で、その枠組みの中で最大限のクリエイティビティを発揮してくれることを重視したいです。私たちデザインの素人が想像できるレベルは超えつつも、かといってビジネスでは活用できないような突飛なものでもない、その絶妙なバランスを取ってくださるパートナーが理想ですね。森山(IRIS):カロアさんはそのバランスの取り方が良かったですね。こちらの意図を汲み取って、本当に思いやりを持って進めていただけました。IRISの親会社であるGO社の会議室にてインタビューを実施今後は制作後の展開まで見据えた取り組みを期待明石(IRIS):制作後の展開まで見据えたやり取りができるとより良いですね。Webのデザイン制作会社ではなく、クライアントのWeb上におけるビジネスをグロースさせる会社として、さらに視野を広げていただけると期待しています。今後、「TOKYO PRIME」でも新しい事業やプロダクトの展開を構想しているので、「また相談させてください」となれる関係を築けたらと思います。久保(カロア):伴走型の支援をより深めていけたらと考えています。デザイン領域だけでなく、全体を見渡した支援ができる範囲を広げていきたいですね。葉栗(カロア):今回の取り組みで一つは“資産”になったと思います。それを活かしながら、今後もより良い提案ができるよう、引き続き努めていきます。左から株式会社caroa 久保、石川、森田、株式会社IRIS 森山様、明石様