2021年に創業し、外国人材の紹介・マッチング事業を中心に展開している株式会社ジンザイベース。人手不足という社会課題の深刻化とともに需要が高まり、急成長されています。そんな中で、創業期にスピード重視で設けたコーポレートサイトのリニューアルの必要性を感じ、カロアに依頼されました。カロアとの制作プロセスやアウトプットを評価され、プロジェクトはサービスサイトやオウンドメディア、会社紹介資料などにも拡大。今回は、両社のプロジェクトメンバーが集まり、進め方のポイントとなった部分や成果を挙げることができた背景について語り合いました。創業期に制作したサイトをアップデートすべくプロジェクトが開始カロアの制作物のテイストが好みだった中村(ジンザイベース):カロアさんのことは、私が以前所属していた会社で一緒に働いていたメンバーからの紹介で知りました。元同僚からカロアさんは非常に高い評価を得ていたこともあり、私が独立してしばらく経ち、Webサイト全般を一新したいと考えていた2024年の春頃に、「とても良いデザイン依頼先がある」と紹介してもらったんです。カロアさんが作った制作物は、私の好みの雰囲気でした。イラストっぽさや柔らかなデザインに惹かれましたね。参考リンク:ジンザイベース コーポレートサイト葉栗(カロア):今回はコーポレートサイトのリニューアルにはじまり、サービスサイトやオウンドメディアのリニューアル、会社紹介資料など多岐にわたる制作物をご依頼いただきましたが、どんな課題を感じられていたのですか?中村(ジンザイベース):どのサイトや資料も、創業期に突貫工事的に作成したものをそのままにしてあったんです。そのため、導線設計や内容のわかりやすさ、見せ方、ブランディングなど、どの観点などから見ても課題しかなかったと言えます。2、3年事業を行ってきて、ある程度軌道に乗り、時間や経済面で少しゆとりも出てきたので、このタイミングでアップデートしようと考えました。今後新サービスも考えているので、その土台となるサイトをしっかりと整備したいという思いがありました。会社の雰囲気に合わせた提案をしてもらえた花岡(カロア):最初は対面でお会いして、熱量や温度感を把握しながら打ち合わせをさせていただきました。イラストを使うという方向性は最初から出ていたので、それを組み込んでまとめるというのが初期のプロセスでしたね。中村(ジンザイベース):会社のビジョンやミッション、事業内容について話をさせていただきました。ただ、それを世の中に対してどう見せ、どう広めていくかについては基本的にお任せしました。素人が意見するよりも、数多くのデザインを制作されている方々の意見を尊重していく方が効果も出ると考えたからです。最初のヒアリング後、いくつかのパターンを提案していただき、その中から「良い」と思うものを選ぶというプロセスは、こちらの負担が少なく助かりました。ベンチマークにしたいサイトを踏まえて、ジンザイベースという会社の雰囲気に合わせた提案をしていただいたので、内容に対して違和感は特にありませんでした。より良いデザインを一緒に探り、サイト来訪数1.7倍を実現すり合わせを通して自社の強みや打ち出しポイントが明確化できた花岡(カロア):プロジェクト開始当初のお話から変更になった点もいくつかありました。例えば、リニューアルにあたりまずは企業としての存在感、威厳を出したいという要望がありました。しかし対話を重ねていくうちに、初めてジンザイベースを知る人の属性を考慮すると「わかりやすさ」「親しみ」を重視したほうがよいという結論にいたりました。中村(ジンザイベース):私自身、自社サイトでどこを打ち出すべきか、当初は明確になっていませんでした。それが、カロアさんから具体的なイメージとして提案していただいたことで、「何が必要で、何が必要でないか」を自分の中で具体化することができたと思います。花岡(カロア):強調ポイントについても、すり合わせの中で決めていきましたね。イラストを用いてビジュアル的に分かりやすいサイトを制作することはあらかじめ決まっていましたが、数あるイラスト系のサイトの中で差別化を図るためにどうすればよいかを一緒に考えました。そしてジンザイベースさんのサイトでは「N2(日本語能力試験の認定レベル。N1~N5に分けられ、N2は日常生活に加えある程度専門的な場面での日本語使用が可能な水準となる)」人材の紹介ができる点を強調し、アニメーションで様々な言語が出てくるような表現を取り入れることにしました。中村(ジンザイベース):「N2」の外国人材は企業にとって貴重な存在であり、自社の強みでもあると感じています。ジンザイベースのサービスを活用するのは伝統的な企業が多くなるので、その方々にとって最適なサイトとはどんなものかを考えた結果、そのような打ち出し方になりました参考リンク:ジンザイベースサービスLP花岡(カロア):話し合う中でより良い表現を決めていけたことは良かったと思います。外から見たときのジンザイベースさんは、経営陣のお2人が強いリーダーシップで引っ張っている印象でした。そのイメージから、デザインもスタイリッシュでかっこいいものになるかなと想像していたのですが、進めていく中でそれも変化していきました。働いている外国人メンバーの写真を見たり、その方々と経営陣のやり取りを見たりして、事業への思いを感じ取りながらデザインを進めていくと、かなり柔らかいカルチャーをお持ちだということがわかり、そこに合わせるように自然とデザインも柔らかい雰囲気になっていきました。自社について真剣に考えてくれている様子が伝わってきた花岡(カロア):今回のプロジェクトは、体制面において少数精鋭でスピード感をもって進められたこともうまくいった要因だと思います。中村(ジンザイベース):はい。かなり密に時間をともにさせていただきましたね。花岡さんと打ち合わせをしているときにも、「先日葉栗とこういう話をしていて~」「水元とここの部分話し合っていたんですけど~」など、カロア社内で日常的にジンザイベースについて情報共有や話し合いを行っている様子が言葉の端々から伝わってきました。雑談の中のさりげない会話だったのですが、私たちのことを真剣に考えてもらっているのが伝わってきて、とても嬉しかったですね。花岡(カロア):私やプロジェクトマネージャーの水元は、外国人材の紹介という分野について詳しくなかったので、かなり事業領域について勉強させていただきました。そのうえでどうすればわかりやすく伝えられるか、イラストや表現方法を試行錯誤し、中村さんから「わかりやすい」という評価をいただけたときは安堵しました。デザインへの投資が営業にも採用にも貢献中村(ジンザイベース):全てが直接関連しているかはわかりませんが、2024年4月頃と比べ、月次のサイト来訪数が1.7倍程度に伸びています(2025年2月時点)。また、コーポレートサイト経由での採用応募が増えてきたことも、過去には見られなかった現象です。以前は求人検索サイト経由の応募が中心でしたが、最近は求人検索サイトを見てから、各種自社メディアを回遊し、コーポレートサイトを訪れたうえで応募に至っているようです。これは確実にサイトリニューアル効果だと思っています。葉栗(カロア):コーポレートサイトの後、サービスサイトとオウンドメディアのリニューアルも支援させていただきました。その後も会社紹介資料、サービス紹介資料などの制作もご依頼いただいています。なぜ、カロアに継続的に依頼していただけるのでしょうか?参考リンク:会社紹介資料、サービス資料中村(ジンザイベース):カロアさんは流動的な要望に対しても、元のデザインにうまく組み込んでくださっています。その姿勢や、一つひとつのアウトプットのクオリティの高さが、幅広い制作物の依頼にもつながっています。今はジンザイベースを知るハブとしてコーポレートサイトがあり、そこから各サイトに派生していく形で、会社のブランド認知が広がっているように思います。一連のご支援が、営業促進のための起爆剤になっていることは間違いありません。会社を今後成長させていく上で、Web上に確固たる基盤ができた感覚はありますね。継続的なパートナーシップを築くからこそ得られるもの買い手の立場になれば、企業のデザインへの投資は欠かせないピース葉栗(カロア):会社としてデザインに投資することが、事業やサービスにどのような影響があると考えていますか?中村(ジンザイベース):ポジティブな影響以外にはないと思います。デザインに投資しない方が、リスクが高いのではないかと思うくらいです。ビジネスの基本は「商品やサービスを提供すること」ですが、そこには必ず買い手がいますよね。買い手にわかりやすく、見やすく自社や商品・サービスについて伝えるうえで、デザインの検討は必須ではないでしょうか。日本人は職人気質が強く、考えていることや行っていることは素晴らしくても、それを世の中にわかりやすく可視化して伝えることができていないケースが多いと思います。自社について世の中にわかりやすく伝えることは、単なる自己顕示というよりも、「買い手の立場になって考えている」ということ。それはビジネスの基本だと考えています。ただ、自社ではデザイン面の知見が少ないので、プロに任せることで情報を届けたい人に適切に届けていくことが大事だと感じます。倍々成長の実感がこもるプロジェクト。今後は海外に向けた情報発信を参考リンク:オウンドメディア「Jinzai Plus」中村(ジンザイベース):まだ1年足らずですが、定量的な成果も含めてしっかりと効果が出ていることに感謝しています。現在まで継続的に依頼させていただくことで、よりお互いの理解度が高まり、スムーズに進められるようになっていますし、クオリティも高まっていっています。花岡(カロア):ジンザイベースさんのことを深く掘り下げながら良いところやギャップを見つけ、それを表現していくのは楽しい時間です。また、ジンザイベースさんの事業成長を肌で感じられる1年間でもありました。例えば、人材のデータベース保有数がコーポレートサイト制作時は15万人だったのが、会社紹介資料を制作するタイミングでは16万人に増えている、という形です。デザイナーとして、単なる制作側の立場を超えて、自分たちの制作物を通して「事業の底上げに貢献できている実感」があることは、本当にやりがいになっています。葉栗(カロア):プロジェクトの中で、Webサイトや会社紹介資料など幅広く制作物をつくらせていただきましたが、それ以外の部分でも貢献できることがあれば、ぜひ一緒に取り組ませていただければ嬉しいです。中村(ジンザイベース):ありがとうございます。ジンザイベースは毎年、倍々成長しています。現在は国内の外国人材に限定した事業展開ですが、今後はアジアや海外も視野に入れています。そのため、日本人以外に向けた情報発信も、デザインを含め必要になってくるでしょう。またサービスロゴやオウンドメディアのロゴについても、創業時の混沌とした時期に急ぎで作ったものなので、実はそれも含めてブランドを一新したいという気持ちがあります。その際も引き続きご協力いただきたいです。カロアは今の良さを保ちながら成長していってほしい中村(ジンザイベース):個人的には、現在のような小規模で親しみやすく機動力のあるスタイルが気に入っているので、カロアさんには“隠れた名店”のような存在であってほしいと思っています(笑)。もちろん、どんどん成長されているのでこれからより大きな会社になっていくと思いますが、今の良さを保ちながらいてくださるといいなと願っています。葉栗(カロア):気に入っていただけて嬉しいです。現在進行中の制作物はもちろん、ジンザイベースさんの今後の事業成長に伴うご要望にも、丁寧に対応させていただきたいと思っています。花岡(カロア):少数精鋭の良さや、1つひとつの制作へのコミットメントの文化は残していくつもりでいます。新しいメンバーが入っても、お客様というより“パートナー”のような温度感で接していき、一緒に良いものを作っていければと思います。