株式会社ワンキャリア様は、転職サイト「ONE CAREER PLUS」での「キャリアの地図」を始め、数年前からカロアと協業してきました。その制作物を見た新卒就活サイト「ONE CAREER」のご担当者より、「ONE CAREER」における新企画・図解コンテンツの制作をご依頼いただきました。お客様企業や学生から高い評価をいただいているこの企画の裏側や、デザインパートナーとしての制作プロセスなどについて、ONE CAREERの萩原さんとカロアの水元が対談インタビューをしました。企業の採用課題を解決するソリューションとしての図解記事ONE CAREER図解記事とは?水元(カロア):まずはONE CAREERさんにおける図解記事がどういうものなのかについて伺っていきます。どのような狙いを持って、提案や制作を行っているのでしょうか。萩原(ONE CAREER):具体的に対象になってくるのは主にBtoB企業やスタートアップ企業です。学生さんが普段の生活の中で触れる機会が少なく、何の事業をしているのか想像がつかない企業様については、これまで自社で制作してきたような7000~8000字のテキストでの企業紹介は読み手にとって負荷が高いのです。一方で図解は、視覚的に理解しやすい特徴があります。その企業に少し興味を持った学生には図解を見てもらうことで母集団形成や認知変容につなげ、応募フェーズにいる方や内定者にはテキストの記事で理解を促進するというように、役割を切り分けるようにしています。水元(カロア):企業側はどのような課題感を持っていることが多いですか?萩原(ONE CAREER):図解記事のニーズのある企業様は、認知変容や母集団形成について課題感を持たれていることが多いですね。事業内容が多岐にわたっていたり、理解しづらかったりして、興味を持ってもらうことが難しいと。事例:【図解で紐解くシスコシステムズ】社員の働きがいを推進し、日本のビジネス基盤を支える企業例えば、あるクラウドカメラの事業を展開するベンチャー企業は、学生さんからは「防犯カメラの会社」と認知されていることが多いんですが、実際の事業内容は防犯カメラの範疇を越え、映像データを用いた業界・社会課題の解決を目指しています。そういったことを学生さんにも伝えたいとご相談をいただいたこともあります。水元(カロア):企業側も採用広報としての施策を様々展開されている中で、あえてONE CAREERさんで図解を制作しようと決断された背景には何があるのでしょうか。萩原(ONE CAREER):1つは、ONE CAREERの図解がコンテンツとして希少性が高いということが挙げられます。自社採用サイトに図解記事を載せている企業様はありますが、ONE CAREERの図解ほど作り込まれたものはあまりなく、お客様自身で作ろうとした時には負荷が高いものになります。かつ自社サイトで自分たちの魅力を伝えることで一種の“やらせ感”が漂ってしまうこともあるため、私たち第三者から見た会社の良さとして伝えることで、より真実味が増すというメリットもあります。掲載期間の制限がないことも、メリットに感じてくださる企業様は多いです。図解制作のこだわり水元(カロア):コンテンツを作る際、ONE CAREERさんがこだわっているポイントはありますか?萩原(ONE CAREER):まずはお客様である企業の採用課題を解決できるコンテンツにすることは大前提です。企業側に寄り添いすぎるというよりは、学生さんが読んでくれるように興味を持てる構成や企画にするよう意識して制作しています。事業内容だけでなく、その企業が行っている社会貢献的な側面も伝えるよう工夫しています。水元(カロア):素晴らしいディレクションですね。企業のプロダクトやサービスの紹介だけではなく、企業が及ぼす社会的意義まで含めて認知してもらえるよう意図を持って編集しているということでしょうか。萩原(ONE CAREER):そうですね。その部分は学生さんに伝えるのが難しいのですが、デザインの力を借りることで、より伝えやすくなると思っていますし、そのような目的でご相談いただくことは増えています。提案ベースの進行により、スムーズに制作が進んだカロアへの依頼の経緯水元(カロア):次に、私たちカロアとの取り組み、パートナーシップについて深掘りしたいと思います。そもそも、カロアにご依頼いただいた経緯なのですが、数年前からカロア代表のハグリがONE CAREER PLUSの方々とのお仕事をさせていただいていて、そこからONE CAREERさんの図解に広がっていったという形でしょうか?萩原(ONE CAREER):はい。ONE CAREER PLUSの方で制作いただいていたコンテンツを拝見して、ぜひ図解記事のデザインも依頼できればと思ったのがきっかけです。水元(カロア):コンテンツの大本となる企画はONE CAREER PLUSさんにありましたが、記事の構成や最適なビジュアル表現については、カロアが先導・アドバイスをさせていただきました。導入部から後記までの全体的なストーリーのつながりと、伝わりやすいビジュアル表現を目指して、細部まで一緒に創り上げていきました。萩原(ONE CAREER):そうだったんですね。コンテンツの印象がよかったのと、弊社内で内製化ができない状況になっていたこともあり、既にONE CAREER PLUS側との実績がある御社と進められたらスムーズではないかと社内で合意しました。お客様へのご提案の際も、ONE CAREER PLUSでのコンテンツを事例として活用させていただき、期待感を持っていただき受注につながりました。制作プロセスでお互いによかった点水元(カロア):ONE CAREERさんは緻密に構成を設計されていますよね。企業ごとのニーズに合ったコンテンツを的確に企画しており、着眼点がいいなと思っています。私自身がどんな事業をしているか知らなかった企業様についても、企画資料の段階でよくわかりましたし、伝えるべきポイントを適切にピックアップされていると感じました。おかげで私たちもより伝わりやすくするための工夫を考えることができ、ご一緒するたびに楽しいです。萩原(ONE CAREER):私自身も図解の制作が初めてで、どのようなデザイン、どのような伝え方がいいのかについて悩む部分が多くあります。御社にはご相談しながら進めていくことができるのでとても進めやすく、助かりました。水元(カロア):私たちも萩原さんとのコミュニケーションはいつも進めやすいです。よろしければ、具体的にカロアのどんな部分がよかったか、伺えますか?萩原(ONE CAREER):まず、制作をスタートする前に、必ず事前ミーティングを組んでいただき、全体構成から細部のデザインや文言まで、一通りのアドバイスやご提案をいただけることです。ご提案いただいた結果、より良くなったなと実感しています。また、トンマナのイメージの擦り合わせも複数パターンをご提示いただきながら、丁寧に行っていただいているので、大幅にイメージと違うといったことは発生していません。水元(カロア):ありがとうございます。トンマナについては、毎回対象となる企業様が違って、それぞれのカラーをお持ちなので、そこにどこまで寄せるかについては毎回考えますね。あくまでもONE CAREERから出す記事でもあるので、ONE CAREERらしさと企業様らしさのバランスも、常に意識しています。いろいろとチャレンジしながら、楽しみながら作らせてもらっているなと感じます。萩原(ONE CAREER):6大商社を分析した記事のデザインは特に好きでした。この記事では、企業様の意向が、コーポレートカラーやONE CAREERのカラーを打ち出すというよりも、「Z世代に刺さるデザイン」という方向性で明確になっていたので、それに沿って制作することができたと思っています。水元(カロア):「Z世代に刺さる」という方向性が予め決まっていたことから、この記事では当初いただいていたタイトル「商社の最新の業績状況を徹底解剖」から、【UPDATE商社業界】のようなキャッチーなタイトルの方が刺さるのでは?とご相談させていただきました。これも、Z世代に興味を持ってもらうことを念頭に置いたからこそできた変更です。予め誰に、どのように伝えたいかなどの狙いを整理してお伝えいただけるところは制作側にとっては非常にありがたいです。活用の幅と企業・学生からの反響水元(カロア):制作したコンテンツは、どのようにご活用いただいていますか?萩原(ONE CAREER):メインの導線としては、ONE CAREERサイト内の企業ページの一番下に設置したリンクから遷移してもらう形です。比較的多くの学生さんが遷移してくださっています。企業様によっては、採用イベントの場で使っていただいたり、スカウトを送る時にもその文面に記事のリンクをつけていただくなど、幅広く活用いただいている印象です。水元(カロア):企業様からの反響はいかがですか?萩原(ONE CAREER):図解記事は今期からスタートしたのでまだ公開社数は少ないのですが、記事の満足度アンケートを取ると、多くの企業で5段階中5(最高評価)をいただいており、品質面ではまったく問題のない状況です。採用での成果についても、徐々に出始めてくると見据えています。今後は、企業様の「お気に入り登録」が増えたり、コンテンツがエントリーにつながったり、内定者全員がコンテンツを読んでいる状態を作れるとベストだと思っています。水元(カロア):学生さん側の反響はありますか?萩原(ONE CAREER):すごい詳しく感想をくれた学生さんがいます。その学生さんは、【図解で紐解くシスコシステムズ】社員の働きがいを推進し、日本のビジネス基盤を支える企業という記事を読んで「文字ベースのコンテンツだとかなり思考の負荷がかかる中で、図解記事だとすっと頭に入ってきた」「この会社を受けてみようと思った」という声をもらっています。水元(カロア):それは嬉しいですね。興味を持っていただける1つのフックとして、価値が提供できていることを実感できました。デザインパートナーとして、より手前のフェーズからかかわってほしいパートナーとしてのあり方と今後への期待水元(カロア):的確な企画だけなく、スムーズな進行も萩原さんの力だと思っていて、本当にありがたいと感じています。こちらからのご提案も、柔軟に受け入れて対応いただけているので、よき「パートナー」としてクリエイティブに進められています。萩原(ONE CAREER):私も悩みながら制作を進めているので、一緒にディスカッションできる相手がいてくださって、模索していけるのはとても心強いなと感じています。水元(カロア):カロアは単なる制作会社として見られがちなのですが、作るだけというよりは、「一緒に考えていく」スタイルです。言われたことをそのまま行う“受発注の関係”ではなく、ディスカッションしたり一緒に考えたりしていく「パートナー」でありたいと考えています。お悩みの点は「悩んでます」という段階で渡していただいていいですし、逆に私たちも、伝えたいことがあれば素直にお伝えして一緒に作っていけるといいなと思います。最後に、今後もカロアに継続してほしい点、もしくは、改善してほしい点があれば教えてください。萩原(ONE CAREER):今後も継続していただきたい部分は、やはり企画進行のプロセスで一緒にディスカッションできるパートナーになっていただく部分です。また今後、これまでよりも手前の企画構成部分から一緒に話し合って作っていけると嬉しいです。水元(カロア):そこが記事制作において一番負荷がかかるところだと思います。大本の企画に則ってどう伝えるのが良いか、ぜひ一緒に構成の部分からコンテンツを練っていきたいですね。お力添えできるように頑張りますので、ぜひ今後もよろしくお願いします。