Treead株式会社(ツリード)は、会社の節目を迎えたことを機にコーポレートサイトの改修を検討。デザイン面での外部パートナーとしてカロアにご依頼いただきました。互いに話し合いながら改修を進めていく中、さらに屋号とロゴの制作も追加でカロアと共創することになりました。カロアを選び、追加依頼をいただいた背景には何があったのか。プロジェクトを通して会社に変化はあったのか。Treeadの代表取締役・水野さん、取締役・川浪さんと、カロアのプロジェクトメンバーが語り合いました。相見積もりの段階から、明らかに熱量が違ったカロアカロアとTreeadが出会った経緯川浪:Studioの認定エキスパートのラインナップから、何社か相見積もりをしました。正直なところ価格面ではカロアさんよりも他社さんの方が安価でした。でもカロアさんは問い合わせの時点で、他社さんとは明らかに熱量が違いました。伊藤:具体的にはどのような点が違ったのですか?川浪:カロアさんからは「なぜコーポレートサイトを作り直したいのですか?」と質問されたんです。普通、サイト改修を依頼した会社との会話は「どのように改修するか」が中心となり、「なぜ?」を問われることは少ないと思います。そこをカロアさんはしっかり聞いてくださったので、問われて初めて、自分たちも「確かになぜだろう」と考えるきっかけになりました。そこから、求職者に対しての見せ方、取引先に対する見せ方、営業資料としての見せ方など、プロジェクトの目的を一緒に考えてくださいました。その、目的や背景を深掘りしようとする姿勢に惹かれました。伊藤:弊社から投げた"問い”の結果、見えてきたコーポレート改修の目的はどのようなものだったのでしょうか?川浪:大きく分けて3つの軸があります。1つは社内向けです。今、当社は変革期にあって、変化が大きい中で、社員のモチベーションを上げる起爆剤になるのではないかと考えました。だからむしろコーポレートサイトの刷新を、一大イベントとして捉え、会社への愛着を高められたらいいなと思ったのです。2つ目は、求職者向けです。当社の理念や魅力を伝えて、優秀な人材の採用につなげたいと。3つ目は取引先や営業先向けです。社外に対して、信用を獲得するツールとしての意図があります。水野:以前のホームページは、「結局何の会社なんだろう?」という意見が、社内からも社外からも聞こえてきていました。サイトはないよりもあった方がいい。でも、見たときに何かが伝わるメッセージが載っていて、しっかり見てもらえるようにしたいといった課題感もありました。花岡:確かに制作の最中、「ここは全員の写真を載せたい」といった社内への配慮を感じました。伊藤:社内外、両方に目を向けたいとおっしゃっていましたよね。社外だけでなくしっかりと社内にも向いていらっしゃる企業様は珍しいですし、実はコーポレートサイト制作にはインナーブランディングを高める要素が強くあるので、弊社としても非常に共感しながら取り組むことができました。経営課題や理想の未来について言語化できたプロジェクトスタート時から心を開けた質問川浪:当初、わざわざ水戸の事務所にお越しいただきましたよね。そのときに、「30年後にどうなっていたいですか?」といった普段聞かれないような質問をしていただきました。伊藤:カロアは、抽象的な課題に対してアプローチできる点が1つの強みとしてあります。その質問やプロセスは通常のデザイン会社にはあまりないかもしれません。川浪:コーポレートサイトを作るという目的に一直線というよりは、網羅的に会社の全体像をニュアンスも含めて把握してからアウトプットしていただいた印象があります。遠回りをしているようで実はそれが最短距離だったのかなと思います。カロアさんは、ビジネスライクというよりは、純粋に自社に興味を持って聞いてくれている気がしました。だから私たちも心を開いて、いろいろと話せたんだと思います。おかげで追加の案件(後述のネーミングやロゴ制作)もお願いできましたね。花岡:最初のころは毎回の会議が長かったですよね(笑)。毎回、1時間の会議が盛り上がって、終盤に「あと30分いいですか?」と提案していただいて、多くのことを話し合うことができました。Treeadさんのコミット力が強いことを感じました。伊藤:おかげさまでTreeadさんのことを深く知ることができました。御社に直接お伺いして、メンバーの皆さんの人柄の良さを感じられたこともよかったです。人を大切にする文化が根付いているんだなと。それはデザインにも反映することができたのではないかと思います。川浪:当社くらいの規模の会社では、そもそも経営やマーケティングの課題感に対して、壁打ち相手がいない状況があると思います。今回、コーポレートサイト改修を1つのきっかけにして、経営課題を壁打ちさせてもらった感覚があります。水野:個人的に、抽象度の高い課題を言語化できた瞬間に1つステージが上がる感覚があります。今回のプロジェクトは、30年後や10年後といった未来の話と、普段の自分たちの仕事内容が何なのかという現在の話を言語化する機会を設けていただき、改めて、自分たちの思想が明確になり、社内が引き締まるような思いがしました。当初は予定していなかったワークショップを実施した背景伊藤:そういっていただけて光栄です。コーポレートサイトの改修を進めている途中に、屋号のネーミング依頼をいただいたと思います。ご依頼いただいた理由や経緯はどんなものだったのでしょうか。水野:個人向け買取事業はフランチャイズとして運営していたのですが、独立するタイミングでTreeadとしてネーミングが必要になったんです。一度自分たちで考えてみたんですが、どうにもしっくりこなくて決めきれず(笑)。そんな中で川浪がカロアさんとのお付き合いの中で、強い信頼関係をつくっていたので、お願いしようということになりました。伊藤:ネーミングについては、ワークショップを行って決めていきましたね。川浪:ワークショップをすることは会社として慣れておらず最初は戸惑いもありましたが、チームビルディングの機会にもなりました。現場のメンバーも巻き込んでのディスカッションは新鮮でしたし、会社が成長するタイミングで、抽象度の高い議論ができたことは、非常に良い経験になったと思います。そもそも自社は人が強みという認識があまりなかったのですが、一連の取り組みでTreeadの強みが「人」にあることを実感することができました。▲ ネーミングの際に行ったワークショップ当日の様子伊藤:嬉しいですね。お話を伺っている中で、印象的だったフレーズがあります。「買取事業は、家にあったら価値がないような中古品を、Treeadを経由してもらうことで売るときに価値を⽣み出す。それは⼈材も同じで、会社として⼈材育成に対する意識が⾼いんだ」と。実際に現場の方々にお会いして、会社の考えるような人材が育っていっているんだなと感じました。逆に、今回ご一緒させていただいたプロジェクトを通して、困難だと感じたことはありましたか。川浪:ロゴや屋号の開発には苦労しましたね。方針が決まるまでにだいぶ時間がかかりましたし。フォントが先に決まって、そこから迷子になってしまいました。でも最終的に、「フォントが本当にこれでいいのか見直しましょうか」と言ってくださって、自分たちがフォント確定で話を進めているところに問題があったことに気づかされました。花岡:途中で立ち止まって、サービスの方向性やロゴのイメージを一緒に考えながら話してくれたことをすごく覚えています。伊藤:ワークショップでネーミングがさっと決まり、ロゴは少し苦戦しながらもつくりきれたところは、ワークショップに参加された社員の皆さんにとっても、一緒に創った感があったのではないかと思います。水野:最終的には社員の意見を取り入れながら、納得のいくものが完成でき本当によかったです。途中でやり方を変えたことでよりスムーズな進行に議論の余地をあえて残しつつ、適宜制作プロセスを変える 花岡:デザインの制作プロセスでは、最初から100%の完成形をお渡しするのではなく、60〜70%の段階でTreeadさんにご確認いただく形にしました。あえて余白を残すことで、途中段階で違和感にも気づくことができたり、より解像度を高めるための議論ができると思っています。なので、その余白をお互いに擦り合わせていく進め方にさせていただきました。水野:カロアさんは制作プロセスの中で「今ここまで来てます」みたいな進捗を伝えてくれていたのは、有り難かったです。そのおかげで、60〜70%で作っていただいたものを当社側で確認しながら、社内でも色やフォントに対して、どれがいいだろうかと議論することができました。伊藤:議論する余地を残しておくことは意識しています。ディレクションの中で道標を作っているのに近いですね。川浪:もう一つ助かったのは、プロジェクトの進め方そのものを途中から変えてくださったことです。今回のプロジェクトの立ち上げ当時は自分側のタスクをうまく消化できていないことが多かったと思います。ただ、カロアさんが意識的か無意識か、途中からやり方を変えてくださったんですよね。その場で決めるものが多めになっていました。宿題を少なめにしてもらっていたので、自分的にはすごくやりやすかったです。花岡:社内のデザイン会議では「川浪さんはお忙しいから、こういう話になったらここでゴール。だけど多分ここで迷われるから、そのときにこちらの案を出して決めよう」といったすり合わせはしていました。伊藤:そうですね。私たちとしては、限られたリソースの中で最適解を見つけられるよう、ディレクション担当者の動き方などを見て、随時やり方を変えるようにしています。ですので、今回もそのように対応させていただきました。デザインはもちろん、チームビルディングとしての貢献も評価プロジェクトで感じた変化や成果川浪:特に採用面では、応募者の反応が変わりました。応募者は求人媒体を見た後に1度コーポレートサイトをチェックしてから面接に挑むようです。人事部からは「コーポレートサイトのここに感動しました」と言ってくださる回数が増えていると聞いています。個人に対する信用を得るという効果が大きいなという実感がありますね。水野:ご協力いただいたリブランディングを経て、ラジオCMも始まりました。伊藤:おめでとうございます。今後Treeadさんの発信力が高まっていくのが楽しみです。水野:今回はデザインという点で成果があったのはもちろんですが、チームビルディングのところでも変化があり、カロアさんに助けていただいたなという印象です。なので、今後、もう少し目的を擦り合わせながら、メンバーの成長を促せるようなワークができればいいなと思いました。川浪:正直、単に看板をデザインしてもらうのみ、チラシ作ってもらうのみとなると、なかなか僕たちには手が出ない価格感です。ですが、ただのものづくり屋さんとしてだけでなく、「コーポレートサイト、屋号開発、ロゴ制作などを入り口にして、マーケティングコンサルを受けた」と思ったら「安いな」と感じます。上流の部分の相談やコンサルといった付加価値の高いところに一緒に入っていただくと、今後もご依頼しやすいです。水野:今後、会社のブランディングに関わる部分の、特に社外に見せるところに関して相談したいと思います。コーポレートサイトは会社の拡大とともに、様々な機能が追加されていくのかなと思うので、今後もぜひ、Treeadの成長を支えていただきたいです。伊藤・花岡:引き続きこれからもより上流工程のご支援から入らせていただき、一緒に成長していけたら嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。改めて、Treeadのみなさま、貴重なお話をありがとうございました。コーポレートサイト改修、新規事業のネーミング、ワークショップなど多岐にわたってご一緒させていただきました。今後も共に成長するデザインパートナーとして、よろしくお願いします。