原文:https://www.invisionapp.com/report-assets/hiring-report.pdf本記事は2019年に公開された情報を和訳したものです。英文を翻訳したものであるため、詳細や正しい表現は英文の原文を参照ください。この記事は前編・後編と分かれており、この後編ではデザイナーが意識すべきポイントをまとめています。前編をまだお読みになっていない方はこちらからお読みいただくことをお勧めします。プロダクトデザイナーは今、かつてないほど注目されている存在であることは間違いありません。実際、プロダクトデザイナーの5人に4人(81%)が少なくとも毎月、3人に1人(34%)が毎週、リクルーターからコンタクトを受けています。デザイナーが行う仕事は、その美的価値だけでなく、企業の製品の使いやすさ、顧客満足度、収益、コスト削減、市場投入までの時間など、ビジネスに与える影響が証明されているため、ますます認識されるようになってきています。実際、最も成熟したデザイン組織の92%は、デザインチームの努力と会社の収益との関係が切り離せなくなっています。プロダクトデザイナーの給料は上がり続けています給与面でもプロダクトデザイナーは高い評価を得ており、米国での平均年収は106,766ドル(日本円でおよそ1200万円)となっています。InVisionの調査によると、プロダクトデザイナーの84%が過去1~2年の間に給与が上がり、さらに今後20%近く上昇すると予測されています。プロダクトデザイナーの需要が高いことは明らかですが、それでもまだ競争が激しく、急速に進化している職種であることに変わりはありません。この記事を読んで、この分野に入ったばかりのデザイナーでも次のレベルに進むデザイナーでも、キャリアの各段階において採用され、出世するためのヒントとして役立ててください。どのようにデザイナーは採用者の注意を惹くのか近年、プロダクトデザイナーの役割と責任は大きく進化しています。今日、意欲的なデザイナーは純粋なクリエイターとしての領域を超え、新しいスキルを身につけ、部門を越えて仕事をすることが求められています。それだけでなく、自分のアイデアを効果的に伝える「ビジネスの言葉を話す能力」も求められています。プロダクトデザイナー候補者が自分を際立たせる最善の方法は、ハード(テクニカル)スキルとソフトスキルの両方を含む多様なスキルセットを持つことである。と多くの採用担当者が口を揃えていますが、現在これらのスキルセットを両方持っていると答えたプロダクトデザイナーは4人に1人に過ぎません。また、管理者がプロダクトデザイナーに最も求めるハードスキルは、UXデザイン、UIデザイン、ユーザーリサーチです。ソフトスキルのトップは、コラボレーション/チームワーク、コミュニケーション、共感です。また、98%の人がデザイナーには効果的に問題を解決するために、チーム間で効果的に働く能力が必要であると考えています。採用担当者の評価ーコラボレーションは最も望ましいスキルーデザインプロジェクトの機能横断的な性質が高まるにつれ、デザイナーは組織内のさまざまなチームと協力し、強力なパートナーシップを構築する能力が求められます。実際、最も成熟した企業のデザインリーダーは、エンジニアリングやプロダクトマネジメントの担当者と3倍以上の頻度で同業者として接しています。また、主要な製品や機能をパートナーと共同で所有し、開発する傾向が4倍もあります。求職者はこれらの洞察をもとに、採用担当者にとって最も魅力的なハードスキルとソフトスキルを強調することで、履歴書(および採用担当者との会話)をより魅力的なものにできるはずです。私は、社内で影響力のある人たちをデザインレビューによく招待し、私たちの仕事が見えるようにしました。私のチームは、会社のリーダーに初期の作品を見せることに少し緊張していましたが、それが重要であることはわかっていました。 -Google社シニアインタラクションデザイナー、Laura Martini氏採用担当者はデザイン以外を重視する今回の調査では、ハード・ソフト両面の多様なスキルセットに加えて、採用担当者はデザインに関連しない多様な経歴、特にプロダクトマネジメント(74%)やエンジニアリング(53%)を高く評価していることがわかりました。今日、デザイナーの役割は、スクリーン上のピクセルを押し出すこと以上のものです。最も成熟し成功している企業では、デザインはビジネス戦略の中核とみなされ、デザインリーダーは他の主要な利害関係者とともに企業の未来の一端を担っています。多様な専門的背景を持つことは、デザイナーが進化する責任を果たすのに役立ち、将来のキャリアアップと成功の強力な指標と見なされます。さらに、他の分野とそのプロセスを強く理解することは、デザイナーが他のチームとコラボレーションするためのより良い条件となります。また、デザイン以外のバックグラウンドを持つ人がプロダクトデザインに転職する際にも有利に働きます。候補者の経験コードを書くべきか、書かないべきか?InVisionの調査結果は、この議論に光を投げかけています。コーディングの知識を持つプロダクトデザイナーは、デザインに命を吹き込むテクノロジーの可能性と制約を理解しているため、より価値があると主張する人もいるでしょう。また、ソフトウェア開発者と「同じ言語」を話すことができるため、開発者との共同作業にも有利に働きます。InVisionの調査では、コーディング経験は大多数の採用担当者にとって魅力的であるが、給与には影響しないことが明らかになりました。採用担当者の80%は、候補者にコーディングスキルを求めていると回答しています(調査対象のプロダクトデザイナーの72%はコーディングスキルを有しています)。しかし、コーディングの経験に対してかなり高い給与を支払うことを望んでいるのは、マネージャーのわずか13%にすぎません。つまり、コーディングの経験があればデザイナーとして採用されるかもしれませんが、給料が高くなることはあまりないでしょう。「建築家ならコンクリートの特性を理解するはずなのに、なぜデザイナーはコードの特性を理解しないのだろう?」 -InVision社 デザイン教育担当副社長 Aarron Walter氏おわりに今回は、InVisionが2019年に発表したProduct Design Hiring Reportを翻訳・加筆修正し2回分けてお伝えしました。今回のデータの洞察が、デザイナー・企業の皆様に少しでもお役に立てれば嬉しいです。