皆さんは普段どのアプリを使用していますか?また、何をきっかけに新たなアプリをインストールしていますでしょうか?周りの人が使っていたり、口コミをみて興味を持つことがほとんどだと思います。実際に世界全体や日本では、どのアプリがどのくらい使われているのでしょうか。deta.aiが世界のアプリ使用時間を調査パンデミックによるロックダウンの影響でモバイルアプリブームが起こった時からだいぶ経ちますが、消費者のスマートフォン利用は依然として伸びています。アプリ情報企業data.ai(旧App Annie)が発表した新しいデータによると、世界12カ国以上で、消費者は1日あたり4〜5時間をアプリに費やしていることがわかりました。アプリ使用時間が長いのは3か国アプリに費やす1日の時間は国によって異なりますが、現在、ユーザーが1日あたり4時間以上アプリを使用している国は13カ国にのぼります。インドネシア、シンガポール、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、インド、日本、韓国、カナダ、ロシア、トルコ、米国、英国です。また、そのうち3つの市場(インドネシア、シンガポール、ブラジル)では、モバイルユーザーが1日あたり5時間以上アプリに時間を費やしています。パンデミックの影響が薄れるもアプリ使用時間は依然として増加そしてこのデータは、パンデミックがアプリの使用に長期的な影響を及ぼした可能性を指摘しています。パンデミック中に新しいアプリや行動を始めたモバイルユーザーは、2022年に入ってパンデミック以前の生活水準に戻ろうとしているにも関わらず、アプリの使用時間は依然として増加傾向にあります。いくつかの国の例をあげると、2020年の第2四半期、シンガポールのユーザーはアプリに4.1時間費やしていました。そして現在では5.7時間まで伸びています。オーストラリアでは、2020年第2四半期から2022年第2四半期にかけて、ユーザーの使用時間は3.6時間から4.9時間へと増加しました。 いずれも利用時間が40%増加したことになります。その他の国々では、インドネシア(10%増)、インド(5%増)、日本(5%増)、カナダ(20%増)、ロシア(10%増)、米国(5%増)、英国(5%増)、中国(5%増)、ドイツ(10%増)と緩やかな成長がみられます。メキシコ(0%)、トルコ、アルゼンチン(いずれも-5%)など、成長が見られない、あるいはやや減速した国々もありました。これらの国ではCOVID-19のピーク時と比較すると、傾向はCOVID-19以前の水準に正常化しつつあることを示しています。今はどんなアプリが使われているのか世界のトップアプリ同社のレポートには、第2四半期の上位アプリとゲームも含まれており、「Instagram」がダウンロード数で世界1位、「TikTok」が消費者支出で1位となりました。月間アクティブユーザー数では、「Facebook」が他のアプリを抑えて依然として1位となりました。2021年に大きな躍進ぶりを見せた「Tiktok」を筆頭に「Instagram」や「Facebook」などが続き、SNSが多く利用されている印象があります。ダウンロード数やアクティブユーザー数に関しては、4位以下もコミュニケーションツールが占めています。画像:https://www.data.ai/en/insights/market-data/consumers-in-five-countries-now-spend-more-than-5-hours-a-day-in-apps/日本のトップアプリ画像:https://www.data.ai/en/insights/market-data/consumers-in-five-countries-now-spend-more-than-5-hours-a-day-in-apps/日本のトップアプリはなんでしょうか?最もダウンロードされたのは「Instagram」かと思いきや、ファッションアプリの「SHIEN」が前四半期から12位もランクを上げて1位でした。「SHEIN」とはアメリカ発のファストファッションブランドで、実店舗を持たずオンラインストアのみで展開しているのが特徴です。商品数の多さやリーズナブルな点、SNSで広告を打ち出すマーケティングでZ世代を中心に人気が広がっています。「YouTube」では服の着用感を参考にできる購入品紹介動画なども多く、洋服を買いに行く時間や手間を割けるから利用するという人もいるようです。消費者支出では漫画アプリの「ピッコマ」、アクティブユーザー数ではメッセンジャーアプリの「LINE」が1位でした。世界と日本のアプリ使用の傾向こうして見ると、世界と日本では使われているアプリの傾向が大きく違うことがわかります。日本ではコミュニケーションツールがほぼ「LINE」に絞られているため、アクティブユーザー数でコミュニケーションツール以外のアプリケーションもランクインしている印象があります。また、世界ではダウンロード数2位の「Facebook」が日本では10位までにランクインしていないことも驚くべき点です。海外では主なコミュニケーションツールとして使われている「Facebook」も、日本の若者にはあまり馴染みがないことが伺えます。消費者支出に大きな違いまた、消費者支出の項目では、世界全体だと「Tiktok」が1位で「YouTube」がその次に続きますが、日本では「ピッコマ」「LINEマンガ」とマンガアプリが上位を占めます。このことから、日本では趣味や暇つぶしにマンガが人気であり、文化や時間の使い方が他の国々と異なっていることが顕著にわかります。ゲームアプリは本格派から暇つぶし系までさまざま画像:https://www.data.ai/en/insights/market-data/consumers-in-five-countries-now-spend-more-than-5-hours-a-day-in-apps/画像:https://www.data.ai/en/insights/market-data/consumers-in-five-countries-now-spend-more-than-5-hours-a-day-in-apps/ゲームアプリでは、バトルロイヤルFPS(一人称視点シューティング)の「Apex Legends」がダウンロード数で1位。消費者支出では育成シミュレーションゲームの「ウマ娘 プリティーダービー」、月間アクティブユーザー数ではパズルゲームの「ディズニーツムツム」が1位でした。このことからもわかるように、ゲームの種類や内容は本格派から暇つぶしまでさまざまです。「Apex Legends」のサービスが提供されたのは2019年で、世界的にはブームが落ち着いてきていますが、日本では人気ゲームに成長しています。理由の1つとしては、「Apex Legends」が「PS4」や「Nintendo Switch」に対応したことが挙げられます。欧米よりも日本はゲーミングPCの普及率が低く敷居の高いゲームが多々あるのですが、「Apex Legends」は基本無料の上PCを使う必要もないので初心者でも簡単に始めることができます。おわりに世界と日本のアプリの使用時間、人気のアプリを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?コロナ禍で増えたアプリの使用時間ですが、コロナ以前の生活水準に戻ろうとしているにも関わらず、国によってはアプリの使用時間は依然として増加傾向にあります。また、同じスマートフォンを使っていても、アプリを介した時間の使い方や使うアプリの種類は文化や世代によって大きく変わることがわかりました。2022年下半期はどのようなアプリが人気になり、使用時間がどう変わっていくのか楽しみです。