「やらなきゃ」とわかっているのに、なかなかやる気が出ず、ついつい先延ばしにしてしまう……。誰もが一度や二度、こんな経験をしたことがありますよね。中には先延ばしが癖になってしまっている人もいるでしょう。この記事では、「先延ばし癖」を改善したい人に向けて、「先延ばしをしてしまう人の特徴」「先延ばし癖を改善しなければならない理由」「具体的な改善方法と時間術」を解説していきます。先延ばし癖を改善しなければならない理由まずは、なぜ先延ばし癖は改善する必要があるのか、その弊害や改善するメリットについて解説します。生産性を向上させるため先延ばしをしたくなる行動というのは、複雑であったり難解であったり、時間や手間がかかることが予想されるものが多々あります。ただ一方で、そういった行動は重要なタスクであることも多いもの。先延ばしによって取り掛かるタイミングが遅れてしまうと、その分物事を先に進めることができず、生産性や時間効率が非常に低くなります。生産性を向上させてより豊かに時間を使うためにも、先延ばし癖は改善しておく必要があります。納期の遅れや信頼の喪失を防ぐため自分1人にしか影響がない行動であればある程度許容してもいいかもしれませんが、先延ばしによって他人に迷惑をかけることは避けなければなりません。先延ばし癖で迷惑をかける最たる例が「締め切り(納期)に間に合わないこと」。負荷の高い仕事を先送りにし続けたせいで、納期直前にスタートしたとしても間に合わない、ということが起こるのです。納期を守れなければ、当然相手からの信頼を失います。信頼関係は築くのに時間がかかるけれど、崩れるときは一瞬。ほんの小さな仕事でも一度納期を破るだけで信頼は揺らぐので、侮ってはいけません。ストレスを低減させるため先延ばしは、「今やるのが面倒だから」といった目の前のストレスを避けたいという心理から起こることが多いですが、それが逆にストレスを増大させるということをご存知でしょうか。先延ばしをすると、そのタスクについて「いつかやらなければ」と考え続けることになりますが、そう考え続けること自体が脳にとって負担になります。さらに「すぐやれない自分」を感じ続けることになるので、自己肯定感も低下しがち。このように先延ばしは、心のどこかに引っ掛かりがあるストレス状態をつくってしまうのです。ストレスを低減させるには、すぐやる習慣をつけるのが賢明です。先延ばし癖がある人の特徴先延ばし癖がある人には一定の特徴が見られます。ここでは、完璧主義タスクを管理できていない失敗を恐れ過ぎているの3つについて解説します。完璧主義何でも完璧に100%やりきりたいと考える人は、先延ばしをしがちです。完璧主義な人は、最初からベストなアウトプットをしようとするあまり、作業に膨大な負荷がかかります。それが想像できるので、「ちゃんと集中できるときにやろう」と考え、取り掛かるまでに時間がかかってしまうのです。また、完璧主義の人は人に任せることも苦手です。「人に任せるとクオリティが下がるのではないか」「自分でやった方が早いだろう」と考える傾向があるので、任せることが怖く感じます。最初からベストにこだわるのではなく、ベターから始めて段階的にブラッシュアップしていくマインドが重要です。タスクを管理できていないタスクを管理できていないことも、先延ばしの要因になります。大きな仕事であればあるほど、タスクを分解する必要があります。分解しないまま「大きな山」のように仕事を捉えてしまうと、「今やるべき仕事」がクリアにならず、行動するまでに心理的抵抗が生まれてしまうのです。また、分解したタスクごとに所要時間を見積もることも重要です。たとえば「このタスクは15分で終わる」と見積もることができていれば、スケジューリングもしやすくなります。失敗を恐れすぎている失敗を恐れすぎている点も、先延ばし癖のある人の特徴です。完璧主義と通じる部分でもありますが、「失敗したらどうしよう」「ミスをすると評価が下がってしまうかもしれない」と考えるうちに、行動を起こせなくなるのです。先に述べた「タスク管理」ができている状態でも、失敗を怖がってなかなか着手できない人は少なくありません。このような場合、「失敗とは何かを間違えることではなく、何もしないこと」という方向にマインドを変えていく必要があるでしょう。先延ばし癖を治すための方法先延ばし癖を直すには、時間管理アプリを使う目標を細かく設定する最初の5分だけやってみるポモドーロテクニックを使うすぐに取り掛かれる環境をつくる先の予定を埋めるの6つの方法が考えられます。時間管理アプリを使う先延ばし癖を治すためには、様々なツールを活用することが有効です。カレンダーツールに加え、タスクと時間の管理ができるツールは数多く存在します。ツールを活用することで、時間をより意識できるようになり、生産性ややる気アップにつながります。ビジネス目的だけでなくルーティンや自己研鑽などのプライベートな生活管理を目的とするツールもたくさん出ているので、試しながら使っていくといいでしょう。目標を細かく設定する「ある資格を取得する」と目標を定めたとします。それだけでは行動につながりにくいので、さらに小さく目標を分けていきましょう。たとえば、「3か月後の試験までにテキストを3周する」と決めれば、「1か月で1周する」「そのためには1週間で○ページ」「1日で○ページ」と細分化していくことができます。もっと短期間の「企画書作成」などでも同様です。アイデア出し、リサーチやヒアリング、粗々の構成、ブラッシュアップ、といった形でプロセスを分け、それぞれに目標の締め切り日を設けるのです。こうすることで「今何をすべきか」が明確になります。最初の5分だけやってみる始める前は億劫であっても、一度取り掛かってしまえば勢いづいてぐんぐん進められるという人は多いです。そこで、「5分だけやる」と決めて作業を始めてみましょう。面倒だと思っていたことが意外なほどあっさり片付いたり、面白く感じたりするかもしれません。実際に5分でできそうな単純作業から始めるのも1つの手。一度手を動かしてしまえば、そこから違う作業に移るのは難しくありません。ポモドーロテクニックを使うポモドーロテクニックとは、「25分作業をし、5分休憩する」という時間管理のテクニックです。スマホやキッチンタイマーで25分を計測し、時間が来たら作業途中でも手を止めて休憩するようにすることで、集中力が保たれます。さらに、これを3~4回繰り返したら、長めの休憩をとるのがおすすめです。1タームが25分では短いと思う人は、自分で長さを調整してもいいでしょう。ただし、長すぎると作業中に集中力が切れてしまうので注意が必要です。すぐに取り掛かれる環境をつくるパソコンのコードを挿したり、本棚から資料やテキストを取り出したりと、作業をする前段階の行動が多いと、つい面倒になり先延ばしにつながります。そこで、事前にコードを挿しておいたり、資料やテキストを机の上に出して取り掛かるページを開いておいたり、すぐに取り掛かれる環境をつくりましょう。先の予定を埋める先延ばしができないように、絶対に動かせない(動かしたくない)予定を先の日程に組んでしまうのもおすすめです。たとえば、作成すべき書類があったら、その書類を使うミーティングや商談の予定を先に決めるのです。あるいは、金曜日の夜に楽しみな私用を入れて、あらかじめ残業できないようにしておくというのも有効でしょう。まとめ先延ばし癖がなくなると、生産性や時間効率がアップします。時間の密度が高まるので、充実感を得られるという効果もあるでしょう。さらに、時間に対して敏感になるため、限りある時間を有効に使おうと考えるようになります。結果として、ストレスが低減されたり、自己肯定感がアップしたりすることになります。先延ばし癖を自覚している人は、本記事で紹介した改善方法や時間術をぜひ1つでも試してみてください。