「フリーランスに必要なオンボーディングとは?」「フリーランス向けのオンボーディング手法やおこなう際の注意点を知りたい!」小規模な会社では、プロジェクトにフリーランスが参画することがあります。しかし、プロジェクト自体はすでにメンバーで進めていることもあるため、途中から入るフリーランスにはオンボーディングが必要です。フリーランスが素早く企業に馴染み、パフォーマンスの最大化ができるよう、オンボーディング手法や、注意点を確認しておきましょう。この記事を読めば、フリーランスに向けたオンボーディングの事前準備に必要なことが分かり、スムーズな導入が実現できます。フリーランス、副業人材が増加中2019年より順次施行された「働き方改革関連法」により多様な働き方が推進されて以降、フリーランス、副業人材が増加しています。ランサーズが発表した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、フリーランスの人口は、2021年10月時点で1,577万人であり、労働人口の22.8%を占めるほどです。なお、この人口には、本業を持ちながら空いた時間で副業をおこなう人材も含まれています。副業をおこなう人口は424万人で、全体のフリーランスの約27%に上ります。フリーランス人口は、2015年は937万人、2018年で1,151万人、2020年では1,062万人と、わずかな増減が続いていましたが、新型コロナウイルスの猛威により、リモートワークが普及したことで、2021年から大幅に増加しました。今後も増えると予想されるフリーランスを、一部の業務やプロジェクトで採用したいと検討する企業は、オンボーディングの知識を取り入れる必要があります。(出典)新・フリーランス実態調査 2021-2022年版フリーランスのオンボーディングが必要な理由すでに作られたプロジェクトや企業体制にいち早く慣れるために、フリーランスへのオンボーディングの実施は有効に働きます。必要な具体的理由を押さえて、効果的な研修をおこないましょう。会社やプロジェクトの背景を共有する業務を円滑に進め、ゴールや目指すべき方向性を一致させるために、会社やプロジェクトの背景を共有します。企業理念、ミッション、クレドなどの大事にする価値観を伝えることで、フリーランスが業務に取り組む際の行動指針となります。メンバーと足並みを揃えながら、会社が求める成果物を納入できるでしょう。また、プロジェクトの目的や発足に至った背景を共有すれば、解決すべき課題や果たすべき任務が明確になり、達成に向けて個人でマイルストーンを設定できます。責任の所在を明確化する会社とフリーランスの役割を確認して、責任の所在を明確にします。プロジェクトを進行するうえで、企業はフリーランスに対してどのような責任を負うのか、また、フリーランスが担う項目についても事前に取り決めましょう。例えば、株式会社ツクルバでは、企業はフリーランスに取り組んでもらう作業の進捗を設定し、状況の把握をおこないながら、遂行中の作業が完了したらすぐに次のタスクを渡せるようにしています。仕事の受け渡しについての責任を負っています。また、フリーランスは与えられた仕事の疑問点や気になった点について、自ら質問をして解決しながら、安定したパフォーマンスを出すことに責任を担うことも可能です。出典・参考:フリーランスと協業する上での「基本」とは?責任の所在を明確にするオンボーディング手法――ツクルバ・野沢康則さん仲間意識を醸成するプロジェクトを円滑に進めながら確実な成功を収めるために、仲間意識を醸成することが重要です。連帯感を高めることで、エンゲージメントの向上や、コミュニケーションの活性化を実現できます。例えば、参画時のタイミングでチームメンバーと顔合わせをしたり、定期的なコミュニケーションの場を設けたりするとよいでしょう。また、チームワークをさらに強固にしたい場合には、チームメンバー同士が評価をおこない、報酬を送りあえる「ピアボーナス制度」などの工夫を取り入れることも有効です。フリーランスのオンボーディング手法オンボーディング手法を身につけられれば、実践を重ねるうちに最適な実施方法を模索できます。大まかな流れを参照し、各フェーズで自社に合った施策を見つけてください。社内のオンボーディング担当を決める社内の中でフリーランスのオンボーディング担当を決め、どのような支援をおこなうのかを取り決めましょう。組織風土や企業文化、プロジェクトの遂行スピードや仕事の進め方などは、企業によって異なります。そのため、新しく参画するメンバーは、すでに作られた文化に慣れるまでに一定の時間を要するでしょう。企業文化に馴染めなければ、本来のパフォーマンスが発揮できない危険性もあり、迅速に慣れるために、オンボーディング担当が積極的な支援をおこないます。例えば、定期的な1on1を取り入れれば、精神的なつながりの強化を実現し、フリーランスの疑問の解消にも役立ちます。また、業務改善を伝えられる担当として機能すれば、吸い上げた意見をチームメンバー内でまとめて、都度実施をおこなうことで、よりよい環境作りや働きやすさを実現できるでしょう。事前に資料は共有しておくプロジェクトに参画してもらう前に、フリーランスには資料を共有しておきましょう。業務が始まってからデータを渡すと、実施者はその内容を飲み込んでからタスクを進めるため、自身の持つポテンシャルを最大化させるための時間がかかります。事前に、会社の情報や理念、企業風土、段取りやコミュニケーションの取り方など業務を遂行するうえで知って欲しい情報を共有すれば、参画する前から企業の雰囲気や仕事の進め方を掴めます。モチベーションの向上も期待できるでしょう。参画したときにスムーズに企業文化に馴染むことができ、安定したパフォーマンスの創出につながります。それぞれの担当業務を確認するフリーランスを受け入れる前に、それぞれの担当業務を確認しましょう。案件ごとの説明者や、庶務業務の窓口、業務全般の疑問を解決するオンボーディング担当など、それぞれの担当業務を明確にしておきます。フリーランスが参画した際に、スムーズに案内し遂行できるよう、チームメンバーの役割を整えましょう。フリーランスのオンボーディングの注意点フリーランスのオンボーディングをおこなう際の注意点を押さえることで、進行の妨げとなりやすい原因を未然に防ぐことができます。留意点を把握したら、実際の業務の中で試行錯誤を繰り返しながら、調整を図りましょう。最初はフリーランスに丸投げしない導入時はフリーランスに業務を丸投げせず、担当者が作業内容の説明をしたり、双方で認識の齟齬が起きるのを防ぐため意見の擦り合わせをしたりしながら、徐々に仕事を割り当てましょう。仕事を任せきりにしてしまうと、フリーランスは企業が求める業務内容や達成項目などの詳細事項を正しく把握できません。よって、企業が本来欲する趣旨と異なる成果物が納入される場合があるでしょう。作業スピードや成果物の質を加味しながら、割り当てるタスクを少しずつ増やします。チームのポジションに偏りが生じないようにするチームの業務の平準化を図りながら、ポジションに偏りが生じないようにしてください。プロジェクトを進めるうえで、各工程の担当者のタスク内容を見直しながら、個々に適切な作業量を与え、一部の人に過剰な負荷がかからないようにしましょう。例えば、実施の際にある工程でトラブルや問題が頻発する場合、原因を突き詰めるとある人に過剰な負荷がかかっていたり、成果につながらないタスクに時間を割くフェーズが増えていたりする場合があります。トラブルが起こっている際は、その部分にほかの人材を投入し、作業量を均衡に慣らすなどして、組織のパフォーマンスを最大化しましょう。まとめフリーランスのオンボーディングが必要である理由は、会社やプロジェクトの背景を明確にする、責任の所在を明確にするなどがあり、迅速に企業文化に馴染むことにつながります。そのほかにも、参画してすぐにフリーランスのもつパフォーマンスを発揮することに役立つでしょう。オンボーディングをするにあたって、研修担当を決め、事前に資料を共有しておくことで、迅速にフリーランスが戦力化できるように効果的な事前準備を進めてください。