1月、年度始め、月曜日、誕生日、転職、引越。新たな始まりを想起させるタイミングや人生の節目の出来事を機に、自分のやりたいことや目標を考える方も多いのではないでしょうか。ですが、「自分のやりたいことってなんだろう」、「自分が大切している軸ってなんだろう」とただぼんやり考えていてもなんかモヤモヤする。また、考えたはずなのに実際にアウトプットしようとすると言葉にできないこともあります。そこで大切なのは自分を知ることです。時間、働き方、生き方を個人がより自由にデザインできる今だからこそ「どう選ぶか」の基準を知る、つまり自分の価値観への理解が大切です。そこを起点に、やりたいことや目標について考えることができます。やりたいことや目標を考えたい、そのために自分について知りたい、けれどどうしたらいいか分からない。この記事はそんなモヤモヤを抱えた方にぜひご一読いただきたいです。自分について考える機会の日常化たとえば新年のタイミングでやりたいことについて考えることは珍しくないでしょう。ですが、今は自分に向き合う機会が日常化しています。その背景について紐解きます。生涯にわたり向き合う「キャリア自律」背景の一つ目は、働き方や生き方を考える上で「キャリア自律」が求められていることです。「キャリア自律」とは、企業主導ではなく個人が主体となって自身のキャリアについて考え形成している状態を指します。人材論、組織論の世界的権威であるリンダ・グラットン氏が著書『LIFE SHIFT』で「人生100年時代」と提唱しました。この長寿化に伴い、一人一人がライフステージごとに働き方や生き方について意思決定する必要が生まれました。自分のやりたいことや価値観への理解は、働き方や生き方を選ぶときの起点となります。 新卒時の就職活動のスタート地点ともいえる「自己分析」。「人生100年時代」と言われる今、働き方の変化により新卒時だけでなく生涯にわたる「自己分析」が欠かせません。キャリアの岐路だけでなく、入社後のキャリア形成を支える考え方として「Will Can Must」のフレームワークがあります。この考え方の発祥と言われるリクルートグループでは、人事評価システムの運用においてこのフレームワークを使っています。ここにある「Will」が自分のやりたいことやありたき姿を示しています。今や自身のキャリアを考える上で、常に自身のやりたいことや価値観に向き合い、深い理解を持つよう心掛けることが必要なのです。 「一億総メディア時代」で求められる自己プロフィール作成自分と向き合うことが求められる背景として次にあげるのは、現代が「一億総メディア時代」にある点です。「一億総メディア時代」とは、誰もがスマホやSNSのアカウントを持ち自ら発信できることを示します。Twitter、Instagram、TikTok、LinkedIn、YOUTRUST、noteなど、自ら発信主体となり得るメディアは多岐にわたります。各アカウントでの自己プロフィール作成に頭を悩ます方も多いのではないでしょうか。自分をより深く理解していることは、自己プロフィール作成や発信内容を考える際にも拠り所となります。自分と向き合うため手段、「書く瞑想」ジャーナリング自分が何者かに向き合い発する機会が増えたからこそ、自分について知ることは日常をより豊かな時間にしてくれます。その手段として、効果的かつ手軽に実践できる「書く瞑想」とも言われるジャーナリングがあります。ジャーナリングで感情にフォーカスジャーナリングとは、あるテーマに沿って自分の頭にあるものを書き出すことです。紙とペンさえあれば手軽に実践できます。「書く瞑想」とも言われているように、「ただただ目の前のことに集中する」、つまりマインドフルネスな状態をつくる方法の一つです。ポイントは、ただひたすらに頭の中に浮かぶことを書き出すこと。考えて書くのではなく、感情にフォーカスして書き出していく。この点が事実や感想を中心に書く日記との違いでもあります。自分の思考や感情を客観視ジャーナリングがもたらすものとして、自分の思考や感情の客観視があります。テーマや時間の設定は自由ですが、たとえば「自分は人生で何を大事にしたいのか?」をテーマに5分間、白紙にペンで頭に浮かぶ言葉を思うがままに書き出してみてください。このとき、5分間は手を止めずに書き続けてください。誰に見せるものでもないため、構成を意識したり、きれいに書くことや誤字脱字も意識しなくて大丈夫です。5分経過した後、目の前の紙を眺めてみるとどうでしょう。頭の中ではモヤモヤして掴み切れなかったものを、具体的な言葉として確認することができたのではないでしょうか。人は1日6万回以上も思考していると言われ、その一つ一つを把握することは困難です。しかし紙に書き出すことで客観視できるのです。自分でも気づいていなかった気持ちや感情の発見ジャーナリングを行ったのちにその紙を眺めてみると、「自分ってこんな風に思っていたんだ」や「こんな感情を抱いていたのか」と発見することもあります。自分でも気づいていなかった思考や感情を発見できることもジャーナリングの特徴の一つ。頭で考えずに思いつくままに書く、時間内は手を止めず書き続けることで、自分の奥にある心の声が引き出されるのです。人と話をしているとき、話しながらふと自分の本音に気づくこともあります。ジャーナリングも同様で、心の声に耳を傾ける自身との対話なのです。「自分のやりたいことってなんだろう」、「自分が大切している軸ってなんだろう」、その答えは自分の中にあり、ジャーナリングが導いてくれます。ジャーナリングを普段の生活に取り入れる新年や就職活動などの特別なタイミングだけでなく、ジャーナリングを普段の生活に取り入れることもオススメです。自分の思考や感情に日々耳を傾け言葉で書き出すことで、感じ考えていることと一致した自分につながります。自分の現在地が見えている状態であれば、常に自分を起点とした意思決定をすることができます。様々な効果が期待できるジャーナリング。手軽に実践できるとは言えジャーナリングを習慣化することを不安に思う方もいるのではないしょうか。ジャーナリングを習慣に導くポイント3点ジャーナリングの習慣化のポイントに特別なことはありません。実践へのハードルをなるべく低くし、まずはやってみましょう。自分を深く知ることや発見する楽しさ、思考が解き放たれるスッキリ感も習慣化の後押しをしてくれるはずです。メンタルケアにも効果ありジャーナリングは自分のより良い理解につながるだけでなく、メンタルケアにも効果があると研究によって確かめられています。他人を意識せず飾らない自分の本音を吐き出し知る時間。自分に向き合うためだけの時間をつくることは、自分を大切にしていることの表れです。答えは自分の中にある「自分のやりたいことってなんだろう」、「自分が大切している軸ってなんだろう」について考えるとき、大切なことは深い自己理解です。時間、働き方、生き方をいかにデザインするか、その答えは自分の中にしかありません。手軽に実践できるジャーナリングを活用して日々心の声に耳を傾け、感じ考えていることと一致した自分を保ちましょう。